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  • 米国公認会計士(CPA)について
by Rieko Shirakura in New York, 4.22.2000


キャリアを目指す人達の中でも今一番注目を集めている資格と言えばこのCPA(米 国公認会計士)でしょう。アメリカ人のアカウンテイングを専攻する学生はもちろん のこと、会計会社で働く社会人も会社での地位のワンランクアップをめざすためにこ の資格を取得する事を目的に勉強中の人達が大勢います。法律とは違って、会計はど の国でもそれほどの大きな違いはないため、国際的に活躍できる機会が設けられてい るのです。

このCPA資格試験は、1917年にAmerican Institute of Certified Public Accounting (AICPA)によって作られました。試験は毎年5月と11月の第一水曜と木 曜日に、計15時間30分、二日間にわたって行われます。試験は以下のように分け られています。

Law & Professional Responsibility
水曜日 9:00から12:00まで

Auditing
水曜日 1:30から6:00まで

Accounting & Reporting ( Tax, Cost & Fund )
木曜日 8:30から12:00まで

Financial Accounting & Reporting
木曜日 1:30から6:00まで

試験結果は3ヶ月以内に通知されます。

試験対策として、こちらでは学校のブックストアに行けばたいていは、分厚い参考書 と問題集を手に入れる事ができます。ただ、初めて会計に関わる人は独学ではかなり 難しい事と思います。大学で会計を専攻する学生でさえ、この試験のためにCPA試験 のための塾へ通う人もいます。

試験内容はエッセータイプや、マルテイプル・チョイス、問題分析などですが、どの ように成績がつけられるかと言うと、ニュージャージーにあるAICPAの本部でチェッ クされます。特にエッセーや問題分析などの答えは、CPAとして実際に働いている人 や、弁護士(これは法律部門のみ)により見られ、すべての成績は責任者により再考 されます。75%以上答えが合っていれば合格できますが、英語を母国語としない人 達にとっては、問題の難易度に加えて、英語のハンデもあるわけです。もちろん英語 のライテイングの力も成績に関わってきます。以下にあげるのはどのような点が採点 に関わるかと言う事です。

1. 構成はわかりやすいか
2. 簡潔か
3. 明確であるか
4. 標準英語を使っているか
5. 問題に対して的確に答えているか

などがあげられます。

試験は日本のような公認会計士試験とは違って、4つの部門に一度で合格しなければ ならないというような規制はなく、全部が受からなくてもまた次の試験で落ちた部門 だけ受ける事ができるというフレキシブルな点があります。75%できれば合格とい う点もとても公平だと思います。ただ、すべての資格がそうであるように、その試験 に合格したからといってすぐに給料が上がるだろうとか、これで就職先が保証された ものと考えるのは甘いです。実社会で求められるのはどのような経験をしてきて、ま たその資格を持って積んできた経験は何かという事だと思います。アメリカの五大会 計会社、Ernst & Youngに勤める友人によれば、その会社でCPA資格を求められるよ うになるのは少なくとも入社後3年経った後で、マネジャー試験を受けるときになく てはならないものだそうで、その前にはあっても悪くはないが特に必要でもないよう な事を言っていました。最近では、英語でのコミュニケーションもままならないの に、その資格だけを取る事を目的とした外国人が多く、会社のほうでは、実際にアメ リカの大学にてアカウンテイングを専攻とした学生しか採用しないと言った事実もあ ります。会計を学ぶものにとっては、CPA資格試験は難しくもあり、それに合格する 事はステップアップにもなりますが、その資格に受かる事だけが目的ではありませ ん。私の中ではCPAは独立したものではなくて、会計学を学ぶ中の一つの流れとして ある感じです。




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