■Joy of Journey■
- ☆★☆マドリッド・プラド美術館で過ごす至福のとき☆★☆
by Junko Kitahama, 09.22.2002
グルメなら美味しいものを食べる時が「至福の時」、絵画ファンなら名画に出会ったとき がそう感じる時でしょう。マドリッドには立派な王宮や他にも「必見」といわれる場所は
沢山ありますが、今回の旅で私が一番楽しみにしていた場所が「プラド美術館」でした。
NYのメトロポリタンやパリのルーブル、ロンドンの大英博物館に比べると規模は小さく だからこそ隅から隅まですべてゆっくりと鑑賞でき、それが来訪者に最高の満足感を
与えてくれる「理由」だと思うのです。できれば1日、少なくとも半日は時間を取り順路に したがって鑑賞していくとよいでしょう。驚くなかれ、日本語のガイドブックもあります!
「プラド美術館・短時間で見学できるプラド案内」は1階北入り口(ゴヤ門)を入ったところ
から説明が始まっており、必見といわれる画家の作品、絵画に付けられたカタログNO. 展示室での位置、絵画の解説まで日本語で丁寧に書かれています。館内2箇所にある
ブックショップのほかチケット売り場の側でも売られているので是非手に入れていただき たいですね。\1000〜\1500位でしょう。
▲ プラド美術館で買える ▲格安(…と私は思う)画家別英語版ガイド
日本語ガイドブック
私はマドリッド滞在4日間のうち3日間通い続けて同じ絵を何度も繰り返し観て周りました。
初日には気付かなかったことに出逢うことが多く、そんな話を食事時に意気揚々とする 私に今回の旅仲間Kくんは一言「僕にはわかんない世界です…。」そんな彼も初日だけは
ホテルから美術館まで案内がてら付いて来てくれ、そのまま付き合って館内を歩いてくれたのですが何とスペイン絵画の部屋で大学の同級生、しかも同じゼミのMちゃんとバッタリ
出会ったのです。
「あれーカッちゃんじゃないの!」「やー君かー、そういえば夏休み前に会ったときスペイン
に行くって言ってたよなー。それにしても奇遇だね。」「It's a small world !」と彼女も驚いた
様子。ちょうど歩き回って足腰も疲れたので地下のカフェテリアで大休憩。
私のおごり… ということで、サンドイッチと甘いデザートのプディンングは指差して、そしてKくんに教えて もらった今のところ唯一のスペイン語「カフェ・コン・レチェ ポルファボール」(ミルク入りの
コーヒーお願いします)と3本指を出してすべてOK。おなじくポルトガル語で「…お願いします」 は「カフェ・コン・レチェ ポルファボーレ」と語尾が少し違うだけ?!なのです。
二人は上智大で国際関係学ゼミのクラスメートだそうで少人数制なので「あいつ誰だっけ?」 なんていうことは絶対になく和気藹々といい雰囲気の中で卒論に取り組んでいるということ
でした。「リスボンの空港でもパウラ先生に会ったんだよ、ホント世間て狭いよなー。」とKくん が言うとMちゃんも「私もマドリッドで友達とおち合い、パリまで行く予定…」とのこと。Mちゃん
は商社へ、Kくんは出版社へ共に就職も決まり学生生活最後の夏休みを思い切り楽しんで いる様子は若さが溢れていて羨ましいかぎりでした。
さて「奇遇な話」で脱線してしまいましたが、このプラド美術館には他にも立派な日本語ガイド ブックがあります。「MUSEO DEL PRADO」日本語版ガイドは美術館の歴史、国別・派別
絵画コレクション、彫刻、美術装飾品と別館(カソン・デル・ブエン・レティロ)コレクションまで 細やかに解説してある優れもののカラーページ・ガイドブックです。そうかといって私の訪れた
3日間の間にそれほど多くは日本人らしき人々を見かけなかった気がしますが…。
ゴヤ、グレコ、ベラスケス、レンブラント、ラファエロ、ルーベンス、ポスコ、ボッシュ…彼らの 名画を心行くまでじっくりと楽しみましょう。人の頭越しに絵を観る日本の美術展とまったく違い
絵の正面に立ちまた座り込んでゴヤの「裸のマハ」「着衣のマハ」が比較鑑賞できる環境は すばらしいと思います。英語がわかる人には各名画の前に置いてあるコインを入れ1冊づつ
取り出せる仕組みになっている小冊子がなかなか便利です。画家別英語版ガイドブックは
¥200程度の紙質もそう上質とはいえないものですが絵の部分はちゃんとカラー印刷です。
プラド美術館は今もあちこち増築・修復工事がなされていて時々展示室が変わるのでたまには ガイドブックと相違があるかもしれません。入館時に配られる「展示案内」を観ながら歩いてくだ
さい。この「案内」は表面は絵画の派別と画家別に展示室が一目でわかるように記載されてい て時間のない人には大変便利です。裏面の「観たい絵」や「画家」のある部屋図に印を付け1階
〜3階に要領よく進めば3時間でも充分鑑賞できるかも知れません。スペインの「GAP」といわれる 「ZARA」でショッピングもいいけれど、フリータイムをプラドで過ごす「余裕」がほしいですね。
次回はクールなK君も「マジで感動した!」と語ったピカソの「ゲルニカ」のあるソフィア王妃芸術 センターやショッピング街、マドリッドからバルセロナまで格安航空券を買った話をお届けします。
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