■Malaysia
Boleh■
〜 第14回 お祭り PART3 ハリラヤ・プアサ
〜
by
KAORI KIKUCHI, 08.302003
中国系、インド系のお祭りを紹介したところで、最後に忘れてはならないのが、 マレー系のお祭りです。1ヶ月もの長い断食の終了を祝うお祭りを今回は
ご紹介していこうと思います。
まず、言葉の意味ですが・・・「ハリ」はマレー語で「日」、「ラヤ」は「偉大」、
「プアサ」は、「断食」を意味します。盛大な祭りではありますが、マレー系マレーシア人の お正月とは違います。イスラム歴の10月1日にあたり、お正月は別の日に祝います。
マレー系マレーシア人の大半が、イスラム教です。 彼らは、飢えに耐え、欲を捨て、忍耐力をつけ、アッラーの神への信仰心を深めたりするために
1ヶ月の断食を行います。イスラム歴の9番目の月を断食(ラマダーン)の月とします。 プアサの始まる日、終わる日は空の月を見ながら決められる為、その年々によって
日が1日ずれたりするのも月の様子をみて判断するためです。 2003年今年の予定は、11月25日とされています。
断食と聞いて、「1ヶ月もの間、まったく食物を口にしないの?」と思った人はいないか・・・??
もちろん、まったく何も食べないということではないですよ。 いくら修行だといってもそんなことをしたら死んでしまいますからね〜。
ラマダーンの期間、イスラム教徒(モスリム)は日の出から日の入り(正確には、午前5:30頃の 第一回礼拝から第4回目の礼拝午後7:30頃までの間)まで、食べたり、飲んだりすることを断ちます。
水一滴すら口にしません。日中常に32,33℃ある熱帯気候のこの国ではきついっ!! 脱水症状になったりしないのかぁ〜なんて1人で心配してました。
自分の為にやっている断食だとはいえ、この期間の信仰心の強いイスラム教徒の人達を見ていると、
大変そうだなと思います。屋台なんかに食べに行くと、マレー系のお店の人は通常通り 仕事をしています。宗教が違うとはいえ、断食をしている人の前で大口を開けておいしく
料理をもぐもぐ食べるのは気が引けるものです。会社勤めをしていた父曰く、この時期のマレー系 従業員の人は集中力が落ちるらしく、夕方近くになるとボーっとし始めるらしいです。
イスラム教徒の人の気持ち分かる気がするなぁ〜 朝の5:30頃から何も食べないで、何も飲まないで・・・私なら集中力が落ちるだけどころか、
仕事にならないと思いますね。
イスラム教の教えでは、断食する人は健康な人だけで、老人、子供、妊婦、病人、旅行者は
断食をしなくてもいいとされています。子供は7歳頃から断食を始めるそうです。 断食を免除された人は、できなかった日数の断食を後日一人で行って、埋め合わせをします。
うわさに聞いたのですが、この時期のマレー系マレーシア人は太るらしいです。 朝はやくに、一日のエネルギーを蓄えるためにご飯を山ほど食べ、一日絶食。
そして、夜。吸収がよくなっている胃を満たす為にまたまたドカッとごはんを放り込む。 こんな毎日を1ヶ月続けるんだから太りもしますね。
断食したらゲソっとやせるのかと思っていたけど・・・
こんな過酷な断食を無事終えると楽しいお祝いが待っています。 断食の最終日には、家中を大掃除し、カーテンも新品にかえます。
お母さん・女性陣は翌日のハリラヤに備えて夜遅くまでごちそうを作ります。 ココナッツの葉で米を包んで炊いたケトゥパとレンダン(ビーフやチキンを煮込んだもの)
やカラフルなクッキー、ゼリーなどを準備します。
家族全員お風呂に入って身を清めます。みんな正装に着替えて男性がモスクから 帰ってくるのを待ちます。みんながそろい、準備が整ったところで親戚が家に一同に集まり、
みんなでいっぱい食べて、いっぱいしゃべってお祝いをします。日本のお正月のように、 大人は子供達にお年玉のように袋にお金を入れてあげる習慣があります。
とうとうお年玉をあげる立場になってしまった私としては、子供達がとてもうらやましいかぎりです。
市内では、オープンハウスと言って、王宮や首相官邸、大臣の家などが 一般市民に開放されることがあります。首相官邸では、首相夫妻と握手することもできるんですよ。
マレーシアの代表的なお祭りを紹介してきましたが、いかがでしたか? 世界にはまだまだ知らないお祭りがいっぱいあるのでしょうね。
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