■Malaysia
Boleh■
〜 第13回 お祭り PART2 タイプーサム
〜
by
KAORI KIKUCHI, 08.182003
マレーシアのお祭りシリーズ第2弾。 タイプーサム(Thaipusam)というヒンズー教のお祭りの紹介です。
「クアラルンプールに暮らす」(JETRO発行 1990年)という本には、こんな風に紹介されています。 "この祭りは、身体のいたるところに針やくしを刺した人々がヒンズー寺院へ向かって街をねり歩く
行列で知られています。・・・マレーシアではバツーケーブのヒンズー寺院でこの行事が行われています。 インドでは危険という理由でこの祭りは禁止されており、今ではこのバツーケーブでのお祭りが
世界最大といわれています。"
「地球の歩き方 マレーシア、ブルネイ」(ダイヤモンド社)には、 "信者たちが体中に針や鉄グシを刺して練り歩く様は圧巻だ"
あなたは一体どんなお祭りを想像しましたか? この文を読んでいるとかなり恐っそろし祭りの様ですが、文字通り穏やかではない雰囲気の
お祭りだと言うことは間違いないです。
ヒンズー教のお祭りで、願いを叶えてくれた神様を訪ね,お礼をするための行事。
ヒンズー歴の10月「タイの月」の満月の日に行われるため、カレンダー上のタイプーサムの日は、 毎年毎年違います。ちなみに、今年は1月19日でした。
あまりに危険すぎるので、本国インドでは禁止されているのに、マレーシアでは世界最大の祭りが 繰り広げられているなんて・・・毎年100万人ものインド人がKL市内から10Kmほどの距離にある
バトゥ・ケーブ(Batu Cave)に集まります。マレーシアの人口の約10%がインド系で、 そのインド系の約80%もの人がヒンズー教。マレーシア半島の全インド人人口は、約120万人
と言われていることから考えたら、ほとんどのインド人がタイプーサムに参加してる!
↑ここが、Batu Cave。 ↑背中に注目!針刺さってます!
石段が272段もある。
このお祭りはムルガという神にお願い事をして、叶った人が感謝をあらわします。
その感謝を表す手段もいろいろで、@頭を坊主にする。(10歳くらいまでの 子どもなら女の子も坊主にするんです。)、Aカバディ(飾りのついた御輿の
ようなもの)を背負ってお参り、B体に鉤針をさしてお参り等があります。
このB番目が究極!見ているだけで、痛〜っい!という感じです。 世界を代表する「奇祭」って呼ばれるだけあって、想像を絶する光景です。
釣り針のような針(短い物は20cmから長い物は1mまで)を背中、頬、額、舌など にさしていきます。1mもある針の太さは5mmもあり、家族・親戚が
「ブスッ、ブスッ」と勢いよくさしていきます。
普通に考えると「痛いっ!」を通り越して「激痛」が走ると思うのですが、 さされている本人はトランス状態のため、痛みを感じなければ、刺した所から
血もでないそうです。この針を背中に刺したまま、後ろから人が引っ張り その状態でBatu Caveの272段の階段を登りきります。
頂上に無事到着した時、全ての針を外し、トランス状態から解放されます。 「聖なる灰」(牛糞を燃やした灰)を塗ってもらい儀式は終了!
この儀式を成し遂げた人は、サポーター(家族など)の熱い祝福を受けて、 ハチャメチャにはしゃぎます。 こんなすごい祭りがあったとはね〜。
今までの中でインド人をこんなにいっぱい見たのは初めてかもしない。 ほんとにインドに行ったみたいだった。
日本では考えられない奇妙で危険でクレイジーなお祭りでした。
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