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    〜 第12回 お祭り PART 1 チャイニーズ・ニューイヤー
                               by KAORI KIKUCHI, 08.05.2003


いろんな民族が一緒に生活していれば、お祭りだっていろいろ。 日本にはないマレーシア特有の祝日、祭日をご紹介していきたいと思います。

カレンダーで祝祭日を数えてみたところ、日本は14,5日だったのに対して、 マレーシアは40日近くありました。(各州限定の祝祭日も含む) 一年の約10%が休みだということになりますよね? 土日を合わすと1年の約40%もが休みなのです! 高校時代は、この休みにプラス2ヶ月という長〜いサマーバケーション、 そして、12月・1月にはクリスマスブレイクと休みだらけでした。 こんな休みばかりの生活に慣れてしまっていたせいか、日本に帰ってきた時は あまりにも祝日の数が少なくてカレンダーを見てがっかりしたことを覚えています。

この祝祭日には、もちろん欧米の太陽暦(西暦)的考えのNew Year's Dayなども含まれています。 けれど、日本みたいに特別な祝日という感じはなくて、KL市内ではお店も通常通りオープンしています。

今回はマレーシアの代表的な祭日のひとつ、チャイニーズ・ニューイヤーについてお話していきたい と思います。チャイニーズニューイヤーとは中国系マレーシア人のお正月です。 中国歴は月の満ち欠けを基準にした太陽歴なので、年ごとに日時は変わってきます。 毎年大体、2月がチャイニーズ・ニューイヤーです。このお正月は15日間も続きます。 インド系、マレー系のマレーシア人はこのお正月を祝いませんが、2週間ほどの長期の休暇をとります。 日本人のような外国人はこの時とばかりに、海外へ旅行に出かけるのが一般的です。

中国系の人たちは、チャイニーズ・ニューイヤーの約1ヶ月前から準備を整えます。 家の掃除をしたり、お客さん用の食料を買ったり、服を新調したり、いろいろです。 この時期になると、中国潮州産のミカンが出回ります。冬に売られている日本のミカンと見かけは よく似ていますが、皮が固く、種があって、酸っぱいのが特徴です。 お正月当日、このミカンを偶数個もって親戚の家などに挨拶に行き、また数個のミカンをもらって 帰ってくるのが慣わしとなっています。 スーパーの飾り付けもお正月らしく、赤い提灯や紅包(アンパオと呼ばれるお年玉袋)、 中国風の獅子舞をディスプレーしはじめます。 そして、テレビのCMもチャイニーズ・ニューイヤー色濃くなってきます。 「Happy Chinese NewYear!!」の文字がテレビ画面いっぱいに流れ、 「あけましておめでとう!」のような祝いの言葉、

「恭喜発財!」(ゴン・シー・ファー・チャイと発音します。)

という元気いっぱいのアナウンスが流れます。
ある意味、日本のお正月よりお正月らしかもしれませんね。

お年玉(アンパオ)の話に戻りますが、このアンパオは赤いお年玉袋(表面に”福”などの文字が印刷 されている)に入っています。偶数の額(大体、RM2.00,RM4.00程度)を入れます。 日本のお年玉と違うのは、大人になっても貰えるというところです。ところが条件つき。 未婚者に限られています。年取ったおじさん、おばさんになってもお年玉が貰えるなんて うれしい話のように聞こえますが、ずーっと独身でアンパオをもらっているのは恥ずかしいことみたいです。 そのうち、親戚に「来年は、アンパオをあげる立場になってね。」なんて言われちゃうかも。 全然なんの面識のない人でも、お正月の時に挨拶に行くと、アンパオが貰えるっていううわさを 耳にしたことがありましたが、ホントかな?貰えるっていっても、RM2.00(約6、70円)ぐらいなんですけどね。とにかく、チャイニーズ・ニューイヤー時の中国系マレーシア人は太っ腹なのです。

チャイニーズ・ニューイヤーと言えば、花火に爆竹!! 本来なら派手にドンパチやるのが習わしですが、私がマレーシアに滞在していた数年前に 事故があったらしく、花火などは禁止されていました。 やっぱり、爆竹(日本のものとは規模がちがう!棒に筒状の市販の打ち上げ花火を10本くらいぶらさげたような迫力のもの。とにかくすごい。)がないと盛り上がらないと思います。 今はどうなっているのでしょうか?花火が復活していればいいのになぁ〜。

というわけで、基本的には日本人の私には関係のない祝日でしたが、 街全体が活気づいてくる雰囲気が好きでした。 長期休みになって旅行に行けるという意味で2月は楽しみのある月でした。

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