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    第1回 第二の故郷 メスベン(Methven)

by Yuka Kawakami , 11.04.2002

ワールド・トレンディ読者の皆様、こんにちわ。川上友加と申します。 このコーナーでは私の留学体験に基づくニュージーランドの話題をお届けします。

メスベン(Methven)という小さな町。通称マウントハット ビレッジ(Mt Hutt Village) こういうと少しはピンとくるだろうか??ニュージーランド人でも知らないという人は多い。

ここは人口1000人のマウントハットのふもとに位置する小さな小さな町(村!?)だ。 南島最大の都市クライストチャーチから内陸に車を走らせ約100km、時間でいうと・・・・それは 人次第。ラカイヤ(Rakia)というサーモンで有名な町を抜けたら、内陸へ一本道。時速100キロ なんてニュージーランドの田舎では朝飯前!?といわんばかりに気持ちいいくらいスピードを 出すと、1時間もかからないかな・・・。注)高速道路感覚の居眠り運転と羊の大移動には気を つけて!

いくつもの広大な牧場を抜けると目の前に大きな山が見えます。それがマウントハット! そしてそうこうしている内にメスベンの町に到着です。まず、人々を向かえてくれるのは個性あふれた、 ブルーパブとブラウンパブ。名前の通り青と茶色のパブ!これを目印にやって来るひとも多い。 道路を挟んで向かい合わせに立つこれらのパブに人々は集まり、お酒片手にラグビー観戦や クリケット観戦(注:オーストラリアとニュージーランドで有名な年配向けの野球のようなスポーツ、 試合が長引けば3日間続く・・・)に熱を出すのです。ラグビーと言えばもちろんオールブラックス!

メスベンが最も“熱い”時期は冬です。全国、全世界からのスキーヤーやスノーボーダー で町はごった返しになるのです。1000人いる人口も1500人から2000人に膨れ上がる!これには 留学中だった私もビックリ!てっきり静かな田舎町に住んだものだーとのんきに思っていましたが。 まさか二つの顔をもっているとは・・・特に驚いたのは日本人の数。南半球に位置するニュージーランドは 日本と季節は正反対。日本各地のスキーヤーやスノーボーダーがオフシーズン(夏場)に毎年のように トレーニングにやってき、マウントハットのシーズン中、メスベンに家を借りて住み込むのです。みんな 熱心ですよね・・・。

また隣の国のオーストラリアから冬だけメスベンに移り住み、メスベン通りで通称ピンクパブと言われる レストランを営む夫婦にも会いました。夏はオーストラリアの東海岸沿いに、冬はニュージーランドの 山のふもとで・・・と、人の集まる場所でビジネスチャンスをねらっているのだそうです。なかなかいい アイデアですね。そんな感じで、冬になると夏場閉まっていたレストランがオープンしたり、その他の店や パブが遅くまで開いていたり、活気あふれる観光地になってしまうのです。

そして、こぢんまりしていて親しみ易いこの町では毎年数多くのリピーターがいます。実は私もその一人、 留学して以来2度もこの地を踏んでいます。留学中お世話になったホストファミリーに会いに行ったり、 昔のように山に上がりボードを楽しんだり、散歩したり、クラブやパブでビリヤードをしながら旧友とお酒を 飲んだり・・・何もない田舎だけど、探せばいろんな事が見つかる、自分次第で楽しい時間が過ごせる 場所です。
例えば、山でスキーやスノーボードを楽しむ他にも、ジェットボードや釣りを楽しむのなら近くの ラカイアゴージ(Rakia George)に出かけよう。カンタベリー(クライストチャーチを含む地区)を一望したい のなら気球がオススメ。太平洋まで見渡せます。もっと高いとこへ行きたいのなら、やっぱりスカイダイ ビングでしょ!?インストラクターの先生がついているから安心です。

アクティビティを楽しんだあとは一休み。そこでオススメなのがメインストリートにあるお洒落なカフェ “CAFE 131”。毎日焼き上げた、ケーキやマフィンが並ぶ小さなカフェです。もちろん夜にはろうそくで ともした薄暗いレストランに変わります。ニュージーランド限定のキュウイワインとサーモンをご賞味あれ!

ニュージーランドの肉料理が食べたいのなら、町の少し外れにあるレストラン“Snow Lodge”に行ってみよう。 一見落ち着いた雰囲気のレストランだが、名の通りロッジなのだ。また、日本料理が食べたくなったら、 その隣のロッジへ行ってみよう、レストランのメニューに親子丼があったはず・・・カツ丼もあったような・・・。 どうでしょう・・・だいたいメスベンのイメージはできたでしょうか?

はっきり言って何もないです、でも何かを発見できる場所です。手作りの個人旅行にはもってこいの環境 ではないでしょうか。人々も暖かく居心地がよい。私がメスベンを「ふるさと」と呼べるのはそのせいでしょう。 次回は大自然と一体化した街、クィーンズタウンについてお届けします。



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