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■コロンビア大学留学日記■
by Kotoko Yano, 10.15.2000
NYに一人、暮らしはじめてはや一ヶ月。はじめは本当に大変でした。ちょうど
一ヶ月前、私は極度のホームシックで、本気で日本に帰る決意を固めていました。
「月曜日に航空券をとって日本に帰ろう。」
そう決めたものの、週末は孤独にたえなくてはなりません。いっそ開き直ってその週
末だけはNYを満喫してやろうと、観光用のツアーでゴスペルを見にいきました。結果的にその経験が私をNYにとどまらせました。今では毎週末、そのメモリアルバップチェストチャーチに通っています。NY生活まだまだビギナーの私ですが、旅行で来たときとは全く違う顔を覗かせたりします。今回は、そのひとつとしてハーレムのことをちょっと書いてみたいと思います。
ハーレムは、セントラルパークより北、110から145までを指し、(コロンビア大のあるほうはモーニングサイドハイツといって安全です)イーストハーレム(スパニッシュハーレム)とセ
ントラルハーレム(ブラックハーレム)に区分され、イーストは相当危険とのうわさです。ハーレムといえばBLKミュージックが溢れる危険な町!そんな印象ではないでしょうか。
HIPHOP,R&B,JAZZ好きなら興味をそそられないはずない!!125丁目には皆さんご存知、アポロシアターがあり、マジックジョンソンの建てた、ショッピングモールなんかもあるんですよ。知ってました?私は知りませんでした。
ゴスペルは実際は‘天使にラブソングを‘とはちょっと違います。もっとずっと宗教の強さを
感じます。しかし生の黒人の声はやはりすごく迫力があり、音楽として楽しむのにも充分です。
教会には必ず何人かの准看護婦がスタンバイしています。(もちろん地元の人)ミサの途中で
興奮して倒れる人がいるからです。
IS GOD GOOD FOR YOU?
YHEA−−−−−−−−!!!
ってなかんじで歌って騒いだあと、厳かな最後のお祈りへとミサは流れていきます。
そこにいる全員で手をつなぎ自分以外のひとのために祈り、次に自分自身の為に祈り、抱き合い、握手して、おわります。
私は予想外だったのですが、日本人意外にヨーロッパの人々もたくさん見学にきてい
るのです。平日にヨーロッパの人々にゴスペルをきかせるイベントなどもひらかれているよう。意外でしょ?
肌の色の違う私にも人々はとても親しげに接してくれます。牧師さんがアメリカ黒人
の歴史とゴスペルについて教えてくれました。
かつて奴隷としてアメリカの黒人は書くことも読むことも許されなかった。唯一、日
曜日に教会に通う事が許されていた。GOSPELとはGod SPELL、 神からのGOOD
NEWSと言う意味なのだから喜びをおもいっきりあらわさなくてはいけないよ。教会をでると、少しだけピュアな気持ちになります。
それと、忘れちゃいけない、ソウルフード。日本の家庭料理と素材が似ているんです。白いご飯(おかずとして)高菜や芋の煮付け。味は濃い目ですが、ちょっとなつかしい気分になります。素朴な感じです。
私はただアングラなハーレムに出入りして自分に酔ってるだけかもしれませんが、
ハーレムのあのさびれた雰囲気がとても気に入っています。もちろんみるからによそ者がふらつくのだから常に気をはっていなければなりませんがちょっと路地をのぞけばHIP HOPかけながらバスケしている光景などみると、なにか変ですが、本物だ、、、と、興奮ぎみになってきます。そしてなによりひとびとがあたたかい。ただ路を聞いてもとても親切
に教えてくれたり、教会の人々も、まるで田舎に一人旅にきて出会った地元の人情といったかんじです。日本ではハーレムで路なんかきいたら殺される、位に思っていたのに。ウォール街と同じマンハッタンだと思うとやっぱりNYほどおもしろいとこはない!と思ってしまいます。5THもいいけど、ハーレムって文化と歴史を感じられるNYの大きな魅力の一つかもしれません。
興味があるひとはぜひ行って見てください。もちろん十分に注意して。ちなみにイエ
ローキャブは使えないので要注意。
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