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■USAファッション通信■
by Naoko Kurosawa, 7.15.2000
ニューヨークという街は一年、いや半年離れているとがらりとその顔を変えてしまうといっても過言ではない程のスピードで日々変化している街である。よって半年ぶりに行ってみたりすると、以前知らなかったエリアがいきなりホットになっていたりするから驚きである。
そこで、ここ最近おしゃれなニューヨーカー達の間でホットなエリアのひとつがローアーイーストサイド (Lower Eastside) である。 ニューヨークでおしゃれなエリア
といえば、すぐに高級ブランド店が立ち並ぶアッパーイーストや五番街のあるミッドタウン、ヤングファッションの中心地ソーホーやイーストヴィレッジを連想する人も多いと思うが、このローアーイーストサイドと呼ばれるエリアはそのようなエリアとはまったく違った魅力を持つ、どこかアヤしい雰囲気さえ残った新しいエリアである。
そのローアーイーストサイドと呼ばれるエリアが実際にマンハッタンのどの地域なのかというと、ついこの間までは新しいエリアであったノリータ(NoLita)の東、イーストヴィレッジの南に広がる小さな一画がそのエリアである。 ソーホーはコマーシャル化しすぎてついていけない、だけどノリータは家賃が高すぎて手が出ないというデザイナーやアーティスト達が集まって出来てきたこのエリア。少し前までは洒落たブティックやバーなんてひとつもなかったし、今でも少し危ない雰囲気さえ残る。しかし、若手クリエーター達はそんなところもこのエリアの魅力の一つとして感じているようである。
中でも今一番賑やかなのがイーストハウストンストリート(East Houston ST.)とスタントンストリート (Stanton ST.)の間のオーチャードストリート (Orchard ST.)沿い。この一画に今話題のギャラリーを併設した最先端セレクトショップ、ZAOや7(Seven), その他にもヴィンテージショップや、アンティーク家具屋、オシャレなインテリアのバーなどがその軒を連ねている。とはいうものの、まだごく小さな一画でしかないこの新しいエリアの何が一番特別かというといわれると、私はそこにいる店や人々が放つ、その鋭い感性というエネルギーではないかと思う。ソーホーに立ち並ぶ店と比べると、断然小さい店ばかりだけれど、それぞれの店が独自の明確なメッセージを放っている。 その他のエリアでは感じる事の出来ないクリアなメッセージやエネルギーがこのエリアのホットな訳ではないであろうか。
ニューヨークに行ったら、そんな今一番ホットなローアーイーストサイドにぜひ行ってみよう。もっとも、ぐずぐずしているとそんなエリアもあっという間にその姿を変えてしまうかもしれないが。
ZAO:175 Orchard St.
7(Seven):180 Orchard St.
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