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  • Cuisine de Saigon
by Kozue Endo in New York, 9.10.2000


最近の私はなんだかアジアな気分で、お醤油味が恋しくなったりしています。 そんな時NY市内の日本食レストランに駆け込んだりするのもひとつの手段で はありますが、家庭的な醤油味を求めている時には実は意外と助けにならな いことも少なくありません。ブロッコリーの天ぷらやらアボガド・サシミに出会う こともあるからです。ですから、私は思い切って日本以外のアジアの家庭料理 に挑戦することにしています。

10年ほど前に東南アジアを旅行してからお醤油に対して私の定義は少し変わ りました。なにもキッコーマンだけがお醤油ではなかったのです。「お箸の国の 人」が日本国だけではないと知ることと同じような視点の拡大でした。(なんじゃ そりゃ?)とにかく、私はとあるベトナム料理屋にふらりと入ったのでした。その 店の名前はキュイジーヌ・ド・サイゴン(Cuisine de Saigon)。実は某ガイドブッ クで紹介され、前から行きたかったお店なのです。特に餃子の写真がこれまた 美味しそうで、お店の人に写真を見せて「これが食べたい!」と友人と訴えてし まいました。そこでいかにもオフクロってかんじのおばちゃまが「OK!ちょっと 待っててね」と注文をとってくれたのでした。

お店はグリニッジヴィレッジの古い住宅街の中にポツンとあります。見逃しがち な通りですが、一度お店を知ってしまうと寄らずにはいられない通りになるでしょ う。大きくて真っ赤なキャノピーが目印です。誰かのアパートを訪れるような感覚で、 普通のドアを開くといきなり渋めのバーがあります。ちょっと狭いと感じるかも知 れません。混んでいる時はそこで1杯やりながら、奥の席が空くのを待つのです。 怪しげな赤いランプがあったりしますが、バーテンさんがさわやかな人なので安心 して飲めますよ。メジャーリーグやアメリカンフットボールの優勝戦になるとTVを つけてお客さんともども大騒ぎという夜もありました。それだけアットホームなとこ ろです。客席は厨房を抜けてバーよりもっと奥へ入ります。NY風うなぎの寝床と いえましょう。客席がある部屋の中央には本物だか偽物なのかよくわからない ヤシの木がおかれていて、そこだけ東南アジアの風を醸し出しています。私は 中国かどこかの国営レストランのような印象を受けました。(そんなレストラン あっただろうか?)ま、別な表現をすると、かなり殺風景ともいえます。それもその うち気にならなくなったりするのですが。

さて、お料理の話をしましょう。先ほど注文しておいた餃子は蒸し餃子です。例の ガイドブックによると名前は「パン・ケ・ハック」。これは「餃子」と呼ぶのが申し 訳ないくらい餃子の概念を覆すものなのです。お皿一杯に盛り付けられた蒸し餃子 の上に、微塵切りされた色とりどりの野菜が軽く炒められてのせられ、そして特製 お醤油タレがふりかけられて登場します。これには自分では何も味付けをせずに そのままパクッと食べてしまいましょう。そして、その後しばしの大感激に陥るはず です。いつも友人とこの店を訪れていたのですが、この餃子を食べるたび「シェア なんかしないで自分用に3皿くらい取っておくのだった・・・」と何度後悔したこと でしょう。それくらい素晴らしく一人占めしたくなる味なのです。また、東南アジア料 理の醍醐味ともいえる前菜の種類の豊富さでは、ベトナム料理は他にひけをとらない でしょう。定番の生春巻(英語ではSummer Roll―夏巻?ちなみに揚げた春巻は Spring Roll―そのまんま春巻!)もソースが本格派なので充分楽しめます。私は 前回スペシャルメニューで頼んだ1品は海老を串かわりのサトウキビに巻き付け、 その上から白身魚のすり身で海老を包みこみ、さつま揚げのようにしてまるまると 揚げたものでした。これはあまり見栄えのしない皿です。が、しかし、食べてみると サトウキビの甘さ海老にしっかり移り、コクのある忘れられない1品なのです。他に 定番のトム・ヌングといって炒めた海老を青菜に巻いて食べるものもなかなか素晴 らしいのです。NYではすこし珍しく元気な海老を使っているせいか、あるいはソー スがよいのか、海老ばかり頼んでも気にならない程美味しいので、私と友人はいつも、 ついつい海老ばかり食べているのでした。でも、やはりメインも気になるところです よね。

メインには私からはチキンがお薦めです。それもまったりとしたオレンジ・チキン。 肉料理に果物なんざいれるなんて邪道でぃ!と思っている人間の1人ではあります が、ここのチキンはオレンジの香りはお醤油にまぎれてほのかに香り、そしてオレンジの 成分でお肉はやわらかな口当たり、という出来になっています。一口食べたら「ま、 こういうのもよいかもな」と納得してしまうのでした。他には、魚をまるごと揚げて、あ んかけ風のソースといういうのもトロピカルな雰囲気でよろしいのではないでしょうか。え ?そろそろ喉が乾いた?大丈夫。ベトナムのビールもそろえてあります。青島(チンタオ) もあります。やはりお醤油味のお料理には、お醤油の国のビールですよね。

もうひとつ、お醤油味で祖国を思い出す時にこの店に来る理由は、先にも登場したオ フクロというかんじのお店のオーナーさんのこと。いつもニコニコしていて、「今日は こんなのが美味しいよ。」とか、「今日はビールが進むわね。いいことあった?」なんて気 さくに話してくれたりします。結構いつも混んでいて騒々しいお店なのに、やけに落ち着い てしまうのは、やはりこのオフクロさんのおかげかなぁと思います。お醤油味がぐっとう まみをまして、気持ちが安定するものなのです。

本によるとベトナム料理を1982年頃にNYでお店を開いたとのことです。その頃には まだベトナム料理店はあまりなかったようですね。NYでこれまでがんばってきた気迫と か自信とか、そんなオーナーの歴史がお店に反映されて、やけに家庭とかファミリーと いうものを思い出させる雰囲気があるのかもしれませんなぁ…と、ほろ酔いで、ちょっと ノスタルジックになりながら家路につくのでありました。大丈夫。すぐそばに地下鉄の駅 があるのです。

Cuisine de Saigon
154 W 13th (Bet/ 6th Ave. & 7th Ave.)
212(255)6003
ドレスコード全くなし。
蒸し餃子約$5 生春巻 約$7
アントレ $10前後
比較的安めです。週末は予約した方が便利かもしれません。
ランチなし。(これが残念!)夜のみです。





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