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■ニューヨークホットスポット■
- マンハッタン・ナイト・クルーズ
〜 楽しかったニューヨークの思い出 〜
by Hironobu Hamada in New York, 10.12.2001
Dear New York Trendy Readers:
みなさん、お久しぶりです。
私は幸運にもNYでのテロ事件の3日前にマンハッタンの
ナイトクルーズを行うことができました。秋のおとずれを
感じさせる涼しい風の中、美しいマンハッタンの夜景を
見ながらのクルーズでしたが、この時の景色は目に焼き
付いていて忘れることができません。クルーズが再開
されても同じ景色を見ることができないのでは残念でなり
ませんが、一日も早くニューヨークが元の状態に戻る
ことを祈りつつ、この時の思い出を少し紹介したいと
思います。
*2001年9月8日(土)
水曜日からビジネスの用事でNYに滞在していた私は、この日に友人から
マンハッタンのナイトクルーズに誘われていた。これはサウスストリート
シーポートを午後11時に出発してダウンタウンを中心に3時間ほどダンス
パーティを行いながらクルーズを行うものである。コースはまずブルックリン
ブリッジを超えてエンパイアステートビル、国連ビル、クライスラービルなどを
左手に望みながら、イーストリバーを北上する。ルーズベルトアイランドで
折り返し、その後は、再びイーストリバーを南下してニューヨーク市庁舎や
ワールド・トレード・センターを望みながらハドソン川に入る。そしてニュー
ジャージーとニューヨークを結ぶジョージワシントンブリッジの美しい景色を
望みながらハドソン川を北上し、ミッドタウンで折り返す。最後にライトアップ
されている自由の女神像の前をしばらく周回しながらサウスストリート
シーポートに帰ってくるというものである。
このマンハッタンナイトクルーズは通常は一人あたり$70であるが、
12人用のクーポンを買うと一人あたり$30に減額される。クルーズの
間は、ボートの船内でダンスパーティーが開かれ、2ドリンクと
簡単なアピタイザ−がフリーになる。
金曜と土曜の週末しかないこのクルーズであるが、私の友人が参加者を
12人を集めていたので$30で参加することができた。
この日はアッパーウエストサイドの友人のアパートメントに午後8時半頃に
集まることになっていたこともあって、昼間はフリーだった。
そこで久しぶりにダウンタウンの方に出かけてみた。NYU、ビレッジあたりを
久しぶりに歩いたが、時間があったのでウォール街にも行ってみた。
ウォール街のニューヨーク証券取引所の前には相変わらず観光客が大勢
集まっており、記念写真を撮ったりしていた。その後、私はワールド・トレード・
センター(WTC)にも行ってみた。土曜ということもあって人影は少なく、
平和そのものだった。このときは事件のことなど全く想像もしていなかったが、
WTCですれ違った人の何人かは命を落としたかもしれない。
その後、ブルックリンブリッジを久しぶりに歩いて渡ってから、私は地下鉄で
アッパーウエストの友人のアパートに行ってみたが、私が着いた時には
すでに5人ほど集まっていた。ワインやシャンパンで簡単なホームパーティが
行われていたが、私は友人と約3ヶ月ぶりに再会をはたした。ブルックという
ホワイトのアメリカ人女性がこのクルーズの企画者であり私の友人であった。
コロラド出身の彼女は現在はコーネル大の大学院生であり、博士課程で中南米関係の
研究に従事しており、この時はたまたまNYの友人を訪ねてきていた。将来、
Senator(上院議員)にコロラドから立候補すると言っているほどの活動家である。
アシュリーというブラックガイもその中にいたが、実は彼も私の親しい友人である。
彼と私はコロンビアの大学院時代に友人の紹介で知り合ったが、彼もブルックと
同じくコーネル大の出身であり、ロースクールとビジネススクールのダブル
メジャーの卒業生である。現在は、弁護士としてマンハッタンのミッドタウンに
ある世界的に有名なローオフィスで働いており、親切で非常に頼りになる男であった。
"Hey, Hiro. How are you doing!"
"Good! And you?"
私たちは握手をしながら再会した。
"Hiro, what's your business going on?"
"So, so. What about you?"
お互いの状況を話しながら再会を祝したが、他のメンバーは、カナダの
バンクーバーから今年の秋にNYに移ったばかりの台湾系音楽プロデューサー、
アリス、FIT(Fashion Institute of Technology)出身のデザイナー、ステファニーなど
である。
私たちは午後10時半頃にサウスストリートシーポートに到着し、定刻どおり11時に
クルーズはスタートした。船のデッキは2層になっており、上のデッキがダンスフロアに
なっていた。参加者はアメリカ人とヨーロッパからのツーリストが中心でフランス語や
スペイン語も耳にした。アジア系はほとんどいなかった。
11時にスタートしたクルーズは、まずイーストリバーを北に向かったが、このときの
夜景が言葉では言い表せないほどすばらしいものだった。ブルックリンブリッジを
超えたあたりで甲板に出てみると今はもはや見ることができないワールド・トレード・
センターがきらびやかに輝いていた。
写真:
http://www.j-newyork.com/picture/manhattan_night.jpg
上のデッキでは音楽とともにダンスパーティが始まり、陽気なアメリカ人や
ヨーロッパ人はすぐに踊り始めていた。ルーズベルトアイランドで船は折り返し、
ダウンタウン方面に戻った時にはワールド・トレード・センターが目の前に見え、
友人と一緒に感動していたことを覚えている。その後、ハドソン川を北上したが、
この時は先に見えるジョージワシントンブリッジが何とも言えず美しかった。
船はミッドタウンあたりで引き返し、最後に自由の女神像の前までやってきて、
クルーズもクライマックスを迎えるときがきた。自由の女神もジョージワシントン
ブリッジと同じようにライトアップされており、ドラマのクライマックスシーンの中に
いるようだった。日付が変わった日曜の午前1時半頃である。私やブルックは
そこで写真を撮りながら、悠久の河の流れの中で感動のひと時に浸っていた。
サウスストリートシーポートに戻ってきたときは午前2時ごろだったが、参加者はみな
それぞれの感動に浸っていた。ブルックのアイデアで私たちはそれから何人かで、
NYのダウンタウンに向かったが、午前2時を過ぎているにもかかわらず、繁華街は
ものすごい人と熱気にあふれていた。私たちは午前4時ごろまでダウンタウンの
バーで過ごして帰ったが、帰ってからもこの日のクルーズを思い出しながら
いつまでも感動のひと時に浸っていた。
P.S. この日の真夜中の人の熱気がNYのパワーであるような気がしました。この時から2日後にテロ事件が
起こったわけですが、最初は信じられませんでした。おそらく今はこのようなクルーズも
行われていないと思いますが、一日も早くニューヨークがこのようなパワーあふれる街に
戻ることを祈るばかりです。See you!
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