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  • ☆☆☆メトロポリタン・オペラは大人の時間☆☆☆
by Junko Kitahama, 12.8.2001



現在リンカーンセンターのある場所はかつてウエストサイドストーリーの舞台にもなった スラム街でした。再開発ですっかり様変わりし、いまはニューヨーク最大の総合芸術文化 センターとしてオペラ、バレエ、オーケストラの本拠地となっています。

リンカーンセンターにあるビルのひとつがトロポリタン・オペラ・ハウス。ニューヨーカー達に 美術館と同じく「メット」の名で親しまれ、建物の正面にシャガールの大壁画があることでも 知られています。

NY在住の知人が、私の滞在中にぜひご一緒にと、わざわざオーケストラ席を予約しておい てくれたので、3回目のNYでついにオペラ劇場に足を踏み入れました。このことを知って 行きはどうせ空っぽのトランクなんだから…と思い切ってお気に入りの薄いピンクの綸子 の付け下げ着物を持って出かけました。普段お茶会用の着物にしているものです。

11月上旬というのに、当日は朝から曇り空、昼頃からはとうとう冷たい小雨が振り出して しまいましたが、めげずに着物を着て、ファーのストールを巻いて出かけました。せっかく お洒落して出かけたので先にちょっとだけメトロポリタン美術館で大好きな19Cヨーロッパ 絵画をゆっくり観て(雨のせいか空いていました!)過ごし、タクシーで約束場所まで行きまし た。幸い雨は上がったようで大助かり。予約券を指定席券に変えてくれるブースの前で 待っていると、ミッチェル夫妻が現れいよいよ会場内へ…。そのまえにアーサーが地階の ショップへ案内してくれたのでクラシックファンの兄のお土産にセール中(この辺が私らし い…)のマグカップを買いました。

席は1階オーケストラ席の右側。前から14〜5列目といういい場所にまず感激。 申し遅れましたが本日の歌劇は「アイーダ」。舞台装置が大掛かりな事でも有名なこの オペラを観るのは初めてでしたし、席に着き、次々と他の座席に案内されてくるカップル などに目をやると、女性は皆かなりの正装です。タキシードに背中のうんと開いたイブ ニングドレスの方たちもチラホラ。ミセス・ミッチェルが「昼間はジーンズの人たちも、こう いう場所に来る時はきちんとするのよ。アメリカ人でも差はうんとあるんだけれど、特に オーケストラ席を買うくらいの人はけっこうおしゃれしているでしょ」といわれてみれば 彼女自身真っ赤なジョーゼットのスーツが一際目立ってきれいでした。日本人はほとんど いないようで、私の着物姿も珍しいのでしょう、目が会うと皆にっこりと「こんばんわ」とか 「日本からですか」とか「ご挨拶」して行く人も多かったです。

ちなみに今回のオーケストラ席のチケットのお値段は150ドル。「アイーダ」は先ほども言 ったように、歌劇の中でも舞台装置が大掛かりなのと、出演人数も多く、かなり長いストー リーなので大変見ごたえがあり人気も高く、従ってチケットも高い・・・ということになります。 これが日本だと、小澤征二クラスの指揮ともなると3万〜5万円になるということです。私も 日本で(ラッキーにもご招待でした)小澤の指揮でのオペラは2回観ています。いずれもプレ ミアがついて3万円のチケットがいくらになっているのかわからないと聞きました。日本は 映画やミュージカル、クラシックやバレエコンサートなどチケットが非常に高い気がします。 アメリカでは、最高の席でも日本の半額です。シニア、学生に優待があるコンサートも多い ですしね。日本も早くこういう文化面のサポートが充実するといいのに…といつも感じてい ます。

いよいよ緞帳が上がりオーケストラが始まりました。今回は常任指揮者で演奏はNYフィル でしたが、どこかの国から亡命してアメリカで指揮者としての勉強をした…と無料で配られ るパンフレットに紹介されていたのを覚えています。有料パンフは何故かこのとき買って いなくて、今となってはほとんど記憶に残っている事は無く、非常に残念です。

日本では歌っている内容が舞台の両端の電光掲示板に日本語で出てくるのですが、同じ くNYでは、自分の座っている座席の前(前の座席の背中部分)に小さな電光掲示板が取り 付けてあり、必要ならボタンを押せばそこに英語の文字が表示されます。オペラはイタリア 語なので、ほとんどの人は利用しているようでした。私も試してみましたが、歌と同時に文字 が出てきて、読み終わらないうちに次のセンテンスになっているという悲しい現実があり ました。途中の休憩で、ミッチェルさんが流暢な日本語で、この悲劇のストーリーを話して くださり、後半は大変よく分かり、悲しい場面では周囲の人と同時に泣けることも出来て、よ かった、よかった…。クライマックスの皇女と王が別離を歌い上げる場面では号泣していた 人もあり、3時間以上に及ぶオペラは充分に観客を魅了していました。

休憩時間は30分もあり、ほとんどの人が皆劇場ロビー内のカウンターでアルコールを 注文し、軽くサンドイッチを食べたり、小さなハイ・テーブルを囲んで立ったまま歓談して いました。ドレスアップしたカップルがワイングラスを手に優雅に立っている姿は、日本で 見る同じ休憩時間の光景とはちょっと違うかな〜。小澤さんのオペラは洋酒メーカー・ヘネ シーが協賛しているのでいつも無料試飲があり、大勢の人が順番待ちの列を作っている 光景のみが記憶に残っています。

7時開演の舞台でしたが、終了は11時過ぎ。ミッチェル夫妻の車で帰ることになりその前 に、ディナーを済ませようと言う二人に「夜中の12時前にディナー?」と思わず言ってしま ってから、私も当然ハラぺコ…ミッチェルさんお勧めのイタリアン・レストランで本日のスペ シャル・パスタをお腹いっぱい食べてしまいました…。このお店オペラやミュージカル帰り の人も多いらしく夜中2時まで営業とか。日本では高級レストランがこんな時間まで営業 する事は考えられませんよね。サラダやパスタに岩塩やペッパーを挽きながら掛けてくれ る年配のギャルソンがとても優しく、私の着物姿を見て、小さな声で「ビューテイフルだけど お腹は苦しくないの?」なんて聞いたり、後ろに楽にもたれられるように帯の下に小さなクッ ションを入れてくれたりと、サービス満点。帰りにミッチェルさんが「チップを多くあげないと いけないね」と20%を気前良く付けてくださった。

今年も例年同様、来年6月まで、数多くのオペラやコンサートが催される事でしょう。 オペラシーズンが始まったばかりの9月にテロ事件が起こりましたが、2001年も もうすぐ終わり…。2002年は悲しみや不安を乗り越え、また多くの人々がNYを訪れ、 以前より増して活力のあるNYであることを願っています。




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