■Joy of Journey■
☆★☆スイス・アルプスを越えミラノへ…鉄道の旅☆★☆
by Junko Kitahama, 05.12.2003
イタリアとスイスが共同開発した特急電車CIS(Cisalpino)は日本で言う「振り子式列車」 でチューリッヒ中央駅⇔ミラノ中央駅を約3時間40分で結んでいます。指定席予約は2ヶ月前からでき、1等と2等がありますが、今回はスイスアルプスを越える旅…ということで車窓からの景色をゆったりとした気分で味わいたいと思い往復1等を選びました。
1日4便あるCISミラノ行きですが新幹線と同じく線路は広軌、1等は窓側から横並び2席 と通路を挟んで窓側1席、日本の夜行バスと同じ並びです。さてホテルは朝食つきでした
が列車の出発時間が早すぎてカフェが開いてなかった為、仕方なく駅構内のデリでサンドイッチと飲み物を買って乗り込みました。列車には立派な食堂車が連結されていることは
K君から聞かされていましたが1等に乗るという贅沢をしたため、ここはぐっと財布の紐を 引き締めて…。
定刻、静かに出発した列車の中で、私達はやっと夜が明け明るくなった車窓からの景色を楽しみながらサンドイッチをパクつき「ミラノに着いたらまずどこに行こうか…」などと楽しく会話していました。少し曇り気味のお天気でしたが、まるで「アルプスの少女ハイジ」
があの懐かしい歌と共に飛び出してきそうな小さな山小屋が所々に見えます。大きな カウベルをぶら下げた牛たちが放牧されている小高い山々を両側に見ながら列車は谷間を大きく左右にカーブしながら快調に走り抜けます。
少しウトウトしたり外の景色を眺めたりしながら1時間半ほど過ぎた頃、突然胸がムカムカ してはっきりと目が覚めた私はトイレに走りました。「イヤだー、列車に酔ったなんて!」
原因は列車が「振り子式」だったため。「明日はミラノ!」と少々興奮して昨夜は眠りも浅く それも手伝っていたのでしょう。K君は…というと平気な顔でグーグー寝ています。これだ
からヨーロッパ1人旅もできるんだろうなあ…とその若さと体力を羨ましく思いました。
少し貧血を起したような感じだったのでしばらく靴の紐を結ぶ時のように頭を下げた形で座っていたら、やがて気分も落ち着きました。(これは飛行機内でもとても有効です。気圧
が変り食事でアルコールを飲んだ時などに起こることあるので覚えておくといいですよ!) 私の胃はすっかり空っぽになってしまっていたのでかすかにコーヒーの香りが漂うのに気付き、1両先の食堂車へ出かけてみました。行ってみるとほぼ満席、皆さん朝食後のティータイムでした。奥のカウンターで立って飲んでいる人もいたので私も「カフェ・ラテ」を注文。支払いは当時フランでもイタリア通貨でも可能でしたが現在は当然エウロ(イタリア
語でユーロのこと)で便利に。
席に戻るとK君も目が覚めていて食堂車の様子を話すと「帰りはチューリッヒ着が22時近く なるので食堂車で暖かい夕食を食べるのもなかなかいいですよ。」というのでさっき列車酔い
したことなどすっかり忘れて!?(脳裏には残っていたけれど…食堂車はテーブルにおしゃれ にブルーのクロスが掛けられ食器も陶器で、お茶を飲む人々がとっても優雅に見えたものだから…つい)OKしてしまいました。ここで財布の紐がもう緩みます…ミラノではいったいどうなることか、この調子じゃあ先が思いやられますよね。
列車でスイスからイタリアに出入国ですが、国境付近で車掌がパスポートのチェックに廻って来ました。途中の停車駅から1等車に乗り込んでくるのはどうやらほとんどが外国人のようで
みんな大きな手荷物やバックパックを持っています。ミラノまで山岳地帯の谷間を走るので 何度も言うようですが車窓からの景色が本当に素晴らしくどこを切り取っても絵葉書のよう…
なのです。ミラノに近づくとだんだん建物が増えはじめ、いつしか山の景色も消え都会的な風景 へと移り変わっています。
さあ、ミラノ中央駅はもう間近。着いたら地下鉄でホテルへ直行。荷物を置いて、いざファッション の街へ、飛び出すぞ〜〜!では次回もお楽しみに。
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