■Joy of Journey■
by Junko Kitahama, 06.30.2002
今回の旅は、行きの航空券が《KIX→チューリッヒ経由→リスボン》、帰りは 《チューリッヒ→KIX》だったためリスボンからチューリッヒ間の移動はすべて
個人で行わなければなりませんでした。それがまた自由旅の楽しいところで…。
リスボン→マドリッドはRENFE(日本のJRと同じ)国際列車の寝台特急タルゴ を利用することにし、出発の前々日、サンタ・アポロニャ駅で乗車券を買って
おきました。当日は午後10時発なのでゆっくりと駅に向かい、構内のカフェの まず〜いサンドイッチで夕食を済ませ(こんな事なら街のどこかで済ませて来れ
ばよかった…と後悔)列車がホームに入るのを待ちました。
リスボン最終日は朝からいいお天気…そこでカイス・ド・ソレド駅から海岸線を 走る列車に乗ってビーチに近いリゾート地「カスカイス」まで出かけてみました。
進行方向左手にずーと海が見え隠れしてなかなか快適な35分です。世界中 から集まるお金持ちや貴族の別荘が立ち並ぶコスタ・ド・ソル=太陽海岸=に
ありながら、隣街の「エストリル」のように高級カジノはありませんが旧市街の趣 を残した街並みは落ち着きがありいい雰囲気。おしゃれなお土産物屋が並ぶ
フレデリコ・アロウカ通りにある骨董屋では、日本では見かけない形のダンスク の小さなミルクピッチャーを見つけ、どう見ても新品のようでしたし、換算すると
\300.-位だったので、ためらいもなく2つも買っちゃいました。
通りを抜けるとカモンイス広場。周りにレストランが数件あり、どこもお店の前に パラソルつきのテーブルがたくさん出ています。その中の一軒に入り、まずは
よーく冷えたビールで渇いた喉を潤わせ、この地方ではポピュラーな前菜料理 干しダラのコロッケ(パステイス・デ・バカリャウ)と白ワインでランチにしました。
▲カスカイス:街の路地(急な坂道) ▲干しダラのコロッケ
帰りは駅前からバスに乗り約1時間山越えをして「シントラ」へ。そこからまた列車 でリスボンのロッシオ駅まで45分。海岸線の景色と森の中の別荘地帯と、同行
のK君はポルトガルは2度目というのに本当に楽しませてくれます。
ここで私が 感動したのは「シントラ駅」。内外の壁面は美しいアズレージョで飾られている! 山奥にひっそりと息づく美しい村の「玄関」にふさわしく、古いけれど清楚で落ち
着きのある、ポルトガルならではの駅でした。時間のある人は王宮を中心に広がる街の散策を楽しむことをお勧めします。
歩き疲れたらカフェに入り、シントラ名物 のお菓子「トラベッサーラ」(アーモンドと卵黄ペースト入り)や「サラメ」(チョコレート
ケーキに砕いたクッキーが入っている)を食べながら休憩もよし。カフェにある お菓子のほとんどがレプブリカ広場にある「ピリキータ」というお店のもだそうです。
ポルトガル人は相当に甘党らしく、日本人にはかなり迫力ある甘さなんですが… でも、エッグタルト同様、とっても美味しい!
▲アズレージョが美しいシントラ駅の切符売り場 ▲シントラ名菓:サラメ・デ・ショコラーテ
マドリッド行きの寝台列車は、ちょっと張り込んで1等車にしました。2段ベットの個室(クシェ)で、なんとシャワー付き。お湯はたっぷり使えて、とても快適でした。
でも…クシェの中はトランクが二つ入るとかなり狭く、着替えの出し入れにもひと苦労でした。まあ、2年後に体験する中国・審陽⇔吉林の寝台列車と比べれば
天国のようなこのタルゴですが、その時の私は知るよしもなく…。(中国のお話も また近々ご披露しましょう!)
乗車して間もなく車掌がパスポート確認にやって 来て押印のためピックアップし、すぐに返却。国内でも寝台列車に乗ったことが
なかった私は初めての体験に興奮気味。でもいつ国境を越えたかも判らず… 余り熟睡も出来ずやっと7時になり食堂車が開いたので、夜明けの風景を眺め
ながら珈琲とパンの簡単な朝食(チケット料金に含まれている)をとりました。
家並やビルが増えはじめあと30分ほどでスペイン最大の都市、マドリッド着。 今夜の宿も決まっていない、気ままな旅はまだまだ続きます…。
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