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    〜 第2回 肝っ玉かあちゃん出現?!〜
                        by KAORI KIKUCHI , 12.01.2002

ぎゃーーー!!!! 体全体に鳥肌がはしり、私はベッドから飛び起きました。 「なんだ、なんだ。何が起こったんだ?」 まだ思考回路が整っていない眠い頭で私は一生懸命考えました。確か何か白く小さいものが 天井から振ってきたような・・・床に目をやると慌てて逃げようとしている生き物がいるでは ないですか!「ヤッ、ヤモリ!どうしてこんなものが私のベッドルームにいるの???」 そうなのです。ヤモリが落ちてきたのです。普段は吸盤で壁にぺったりとくっつき、落ちることの ないヤモリなのですが、中にはドジなヤモリもいるみたいで落ちてきたんですね。日本で蟻が 床をうろちょろしているように、マレーシアではヤモリ達が天井、壁を自由気ままに往来して いるのです。昨夜の「Thi、 Thi、 Thi」という奇妙な音の正体は、このヤモリだったのです。 学校初日だというのに、こんな最悪な目覚めから1日は始まりました。

この気持ち悪い朝の始まりをリセットするべく、シャワーに入ることにしました。シャワーの 水は少々冷たく目が覚め、すがすがしい気分になりました。常夏の国では、濡れた髪の毛を そのまま放置していても、30分もあれば自然乾燥ですぐ乾いてしまいます。しかし、今日は学校初日。 私は気合いを入れてドライヤーで髪を整えることにしました。日本から持ってきたドライヤーの コンセントを差込み、スイッチオン。

「ゴーー」とけたたましい音と共に、焦げ臭いにおいが。ドライヤーのモーターが今にも火を 吹きそうな勢いで燃えているではないですか!マレーシアは220ボルト、日本は100ボルト。 私は大切なことを忘れていたのです。電圧が違っていたのですね。結局、髪は自然乾燥することに して、私は朝食を求めてキッチンに向かいました。朝なのに、どこからともなく重く、脂っこいにおいが してきます。ガーリックを炒めたにおいです。下の階に住んでいる中国系マレー人のキッチンから 匂ってくるものでした。マレーシアでは、中国系、マレー系、インド系を問わず、みんなよく ガーリックを食べるとは聞いていましたが、朝から食べるとはビックリでした。

朝からいろいろありましたが、なんとか身支度を整えていざ学校へ出陣です!

マレーシアの首都、クアラ・ルンプールには在馬している日本人の子供達のための日本人学校が あります。幼稚部、小学部、中学部全部合わせて、在籍生徒数約1000人。日本人学校としては かなりのマンモス校でした。私はここで中学の2年間を過ごしました。

朝7時30分ごろにスクールバスがコンドミニアム前まで迎えにきます。黄色い小さいバスで、 車体にマレー語で“BAS SEKOLAH”(スクールバス)と書いてありました。日本の市内を走っている きれいなバスとは違い、クーラーはなく、かなり乗り心地が悪いものです。座席は25席ほど あるのですが、座席と座席の間が狭い!!! この足の短い私でも、足を折り曲げて座るのにひと苦労。たった20分の通学時間でも膝の上に 模様ができ赤くなってしまって、恥ずかしい思いをしたのを覚えています。私の住んでいたPJ地区を 担当していた運転手は、中国系のご夫婦でした。ご主人は体の線が細い感じのやさしい人で、 奥さんといえばパンチパーマをかけ、見るからに肝っ玉かあちゃん風の人でした。いつも明るく、 大口を開けてガハハと笑うとても陽気な人です。 朝の挨拶は決まって、 気分のよくない時は、英語で“Good Morning” 機嫌がいいときは、マレー語で“Selamat Pagi!!”(セラマッ・パギ/おはよう)でした。 どうしてなのかは、今でも謎です。

この豪快なおばちゃん運転手のすごさを知ったある出来事がありました。 ある日の学校帰り、いつものようにおばちゃんはバスを機嫌よく運転していました。 バスは、やしの木が生い茂り、両側に縦列駐車された細い道を突き進もうとしているではないですか! 車を運転したことのない中学生にもわかります。こんな大きなバスが通れるはずがない!! 案の定、バスは駐車していた車をこすり、「ばきっ」と音をたてて、サイドミラーを折ってしまいました。 「あーあ。おばちゃん、どうするよ。やってしまったよ・・・。」私は心の中でつぶやきました。車の持ち主 らしき人が現れました。マレー人の中年のおじさんでした。口論が始まってしまいました。

おじさん:「何やってるんだよ!人の車に傷つけて。」
おばさん:「そんなところに駐車しているほうが悪いんだろうよ!」
おじさん:「見てくれ。サイドミラーが折れてるじゃないか!どうしてくれるんだ。」

おじさんは、かなりな剣幕でまくし立てました。そんな様子にひるむでもなく、運転手のおばさんは にこやかにこんなことを言いのけてしまったのです。

おばさん:「だいじょうぶよぅ。ほらね、(折れたサイドミラーを手にとって)
       ここをテープで固定すれば使えるわよ。」

おばさんの説得が続き、結局マレー人のおじさんのほうが折れてしまいました。 誰が見たって、おばさんの方が悪いのに・・・こんなことも許されてしまうのがマレーシア なのです!!私はただただ呆気にとられてしまいました。

日本人学校では、日本の中学生と同じ教育を受けました。少し違っていた事といえば、 週一回のEnglish Conversation(EC)の授業があったことと、年2回開催される国際交流会が あったことです。私が一番嫌っていた授業がECです。マレーシアに行くまでは外国人と英会話 なんてしたこともなかったので私にとって恐怖の授業でした。第一回目の授業のとき、出席をとるために 名前を呼ばれました。私は恐る恐る“YES”と答えると、インド系の先生Mrs.Kailasが私をじっと見て もう一度私の名前を呼びます。「どうしてだ?ちゃんと返事したじゃない!」もう一度”YES“と答えると、 先生が怪訝そうな顔で私をもう一度みて、”PRESENT”と言っています。presentを訳すと「現在」? どういう意味だろう?とにかく、先生の言った通りその言葉をリピートしてみました。問題解決!先生は にっこりと笑顔を浮かべ次の人の名前を呼んでいました。後で分かった事なのですが“PRESENT” とは、「私はここにいます。出席しています。」という意味だったのです。

ハブが出ることもあるグランドで思いっきり友達と遊び、雨のすごい日にはバケツと席を並べて雨漏りの する教室で授業を受けたこともありました。そんなこんなで、あーっという間に日本人学校での2年間が 過ぎ、卒業です。日本人学校と言えども、日本にある学校とはすこし異なり、多くのことを学べるいい 機会でした。

さらなる国際交流を深め、国際感覚を身に付けるため現地にあるインターナショナルハイスクールへの 進学を決意しました。今までとは違い英語一色の世界。どんなことが待っているんだろうと期待いっぱい。 新たな生活が始まろうとしています!

次回は、インターナショナルハイスクールでのお話です。



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