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■ニューヨーク食べ歩き■
by Kozue Endo in New York, 6.3.2000
Grand Central Station
かつてゴジラが東京で東京タワーを壊したように、アメリカ版ゴジラはクライス ラービルディングを破壊しました。その都市のシンボルはいつも怪獣やらなにや らによって破壊されます。つまり、こうした建物達は破壊されるのは悲しいけれ
ども、有名であるゆえの名誉といえましょう。
ここグランドセントラルスティションも映画「アルマゲドン」で宇宙からの爆弾 （確か３発め）で破壊される程、ＮＹを物語る場所といえますね。大きく広がる ドーム型の天井にはいくつかの星座が埋め込まれており、夏のある時期にはプラネタリウムのようにレーザーショウが繰り広げられます。時には、どこからかジ
ャズの生演奏が響いてきたりと、駅ならではの雑踏を味わいながらも、ゆったり とした雰囲気をもつのがここパークアヴェニューと４２丁目が交差するグランド セントラル駅です。が、そんな駅の真ん中でショウでもない限り、ぽーっと天井
を見上げていては、旅行者と思われスリにでも狙われかねません。「だけど、だ けど、ゆっくりきれいな天井を味わいたいじゃないか！」と思われる方は西側中 ２階にあるレストランで思う存分楽しんではいかかでしょう。
私の知っている限りＮＹではグランドセントラル程の天井の高さを誇るレストラ ンはそうないと思われます。中２階にあるためか、あるいは、上野駅のように常 時構内アナウンスが流れていないからか、心地よい駅のざわめきの中で天井を楽しみながらお食事ができるようになっています。
それが「Micheal Jordan's Streak House」。そう、あのシカゴブルズの元選手 マイケル・ジョーダン氏のレストランです。「え？だったらお肉がバスケットボ
ールの形ででてくるとか？」・・・うーん、それはなし。れっきとした素敵なレ ストランに仕上げられています。グラス、シルバー類、お皿までテーブルセッテ ィングになかなかの力の入りようを感じます。
さて、ステーキについて。アメリカのステーキは日本人の好みと正反対と言われ ます。日本では霜降りなど脂身を好む傾向にあるようですが、アメリカでは局極 力脂身の少ない部位が良しとされているようです。これは肉の歯ごたえ重視する
傾向がまず第一の理由。そして、健康を意識していること。また、私が思うには もともと「あぶら」に対して「無駄」という認識があるのではないでしょうか。 私はフェレ・ミニヨンが大好きです。大勢で食べるならＴボーンが見ごたえがあ
るのでお薦めです。
次に焼き方を見てみると、ウェルダンあるいはミディアム派が圧倒的に多いよう です。私は絶対的にレア派ですからレアを頼みます。しかし、ＮＹでのレアは日 本でいうミディアム・レアの場合が多いので注文の際は「ＶＥＲＹ
ＲＡＲＥ」 と頼むと血が滴る程のレアが届けられます。ちょっとあんまり生すぎるかな ぁ・・・と不安になるならもう一度焼いてもらいましょう。友人などはレアを心配
しています。Ｏー１５７とか？私はいまのところ生延びているので大丈夫でし ょう。
そんなこんなで、私はフィレ・ミニヨンのベリー・レアを注文しました。わくわ くしながらお肉が来るのを待ちます。もうひとつ嬉しいことは、ここにはソムリ エがいらっしゃること。きさくな方で聞けば聞くほどワインのことを教えてくれ
るのです。私達のテーブルに来てくれた方は、雑誌に載るくらいの有名ソムリエ さんでした。私達のワインの好みを伝えるとぴったりのワインをもってきてくれ たのでした。さすが！！！
お肉の味は比較的さっぱりめでアメリカ人好みでした。それなりに大きいのです が、日本人でも全部食べられる量に思いました。ただ、前菜などは控えめにした ほうがよいでしょう。特製のステーキソースはそこそこに美味しいです。和風派
という方はお醤油持参でもきっと大丈夫かもしれません。（私は別なお店で試し ました。）私はいつもメインディッシュを重視し、「コーヒーを飲んだら、ちょ っとひと歩きしようか・・・う、クルシイ。」というところまでになっているために、
どうしてもデザートまで手が回りません。ステーキハウスのチョコレートケーキ はいつも何故か美味しそうに見えるのに。ということで、カーネギー・デリに つづき今回もデザートの情報はないのです。あしからず。
そんな風になるまで食べなくてはグランドセントラルの天井を楽しめないの？と 思われるかたには、ウェイティング・バーで飲み物のみでも一休みできるはずで す。そこでひといき入れるというのもなかなかオツなものでしょう。お食事の場
合には何日か前に予約が必要です。その際にクレジットカードの番号を伝えるのですが、ドタキャンすると何％かのチャージがあるようです。
また、一休みする時間もないかもしれない方や、ジョーダンのファンの方はウェ イティング・バーの奥にあるお土産売り場を一巡りして、ちょっと変わったＮＹ 土産を見つけられるかもしれません。ジョーダンのダンク・シュートの瞬間をデ
ザインしたＴシャツやジャケット、キャップなどのスポーツ・ウェアから、レス トランのロゴ入りのナイフなどがおいてあります。参考までにこのステーキ・ナ イフはよく切れます。
グランドセントラル駅には他にカフェやらお土産物屋がありますが、天井を楽し むならこのレストランが一番でしょう。他に有名店といえば、「オイスター・バ ー」があります。それはまた次回にお話するとしましょう。
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