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  • GRANO
by Kozue Endo in New York, 8.12.2000


NYでは今年の夏も「蚊」が猛威をふるっている。たかが蚊、されど蚊。 Killing mosquitoとして昨年からブルックリンを中心として恐れられている蚊が また発生したらしい。詳しいことはわからないけれど、刺されると脳炎のような 症状を起こすらしいのである。大事に至る場合もあるので注意が必要とのこと。 セントラルパークではその蚊を退治する薬の空中散布が行われ、その直後に予定 されていた夏の恒例行事であるNYフィルの野外オーケストラ演奏では、蚊と薬 害をおそれたニューヨーカーが鑑賞を控えてしまったため、客足がかなり落ちた とか…。と、まぁなんだか物騒な夏の始まり方ではあるが、冷夏もそれなりに楽 しいものである。

なんだか、ニュースのようなイントロだなぁ。
ま、さて、蚊が発生しようが、夏が寒かろうが、美味しいものを食べてパワーを つけておかないと、いざって時にこまるのである。だから私はいつもどおりに食 べ物の話をご紹介しようではないか。で、今回はイタリアン!なんだけど、ホン トは気がすすまない。なぜなら、それはそれは地方によっても違うし、誰でも、 既にそれなりの好みというのものを確立してしまっているからね。今更なぁ、イ タリアンかぁと感じている方もいるかもしれない。でも、私はあえて「こんなと ころもありまっせ」という気分で話をすすめましょ。

1軒目。私のグリニッジビレッジ散歩の際、どうしても1杯やっていきたくなる お店、「GRANO」(グラーノ)。(1)ワインは手ごろな値段で、美味しい のが揃っている。そして、(2)日替わりメニューがすばらしい。という2点で どうしても、「今日は何があるのかな?お、今日も美味しそうだぞ。だったら何 を飲もうかなぁ」と思わせてしまうお店なのである。そうして、私は何度足を止 めてしまったことだろう。それに、お店のお兄さんが皆気さくな人達で、お料理 の説明やらワインのアドバイスをしっかりしてくれて頼りになる一方、ある程度 順調に食事が進められると、フイとお客さんを無視するかのような態度になって しまう。これは友人とのおしゃべりと美味しい食事に専念したい時には、一番嬉 しいお店の人の接客態度だと私は思う。そのうち、「あれ、ワインがなくなった かな?」と感じる瞬間にはもう風のように、お兄さんが現れて注いでくれていた り、「次はこれなんてどう?」なんて表情でワインのボトルを持って横に立って いたりする。

そんなに恰好よく洗練されたお店という訳ではなく、どちらかというと庶民派の お店で、そんなサービス度合いだとかなり嬉しいし、ついつい長居をしてしまう のである。で、長居をしていても、全然プレッシャーをかけてこないし、お会計を お願いする時に、「え?もう帰っちゃうの?ちゃんと食べた?」なんて聞いて くれたりするのだ。私達はゆうに3時間はベラベラとしゃべり、動けない程たく さん食べた後でさえも。うん、素晴らしい!!あ、つい居心地の良さばかり 述べてしまった。

お料理の方も説明しておかないと。実はここのイタリアンはあまり地方色はない。 ただ、美味しい食材をイタリア流に美味しくお料理してみたよ、というものがなら んでいる。ウワサでは、春夏は海の幸、秋冬は山の幸を中心に日替わりメニュー をそろえているらしい。私は白身魚やサーモンのグリルや、ウサギのロースト などアントレだけを頂くことが多く、それらの食材にあわせたソースが文句の 付けようがないほど芸術的である。また、種類が多く取り揃えてある自家製 パスタもなかなかいけるし、茹で具合も日本人には満足できるアルデンテでは ないだろうか。パスタソースも季節野菜をふんだんに取り入れて、「美味しいところ ばかりを集めました」と、盛り付けから伝わってくるほど「美味しいオーラ」がでて いるのである。お店の人はいつも自慢気に今日のお薦めを説明し、お料理もまた その自信に応えるかのように堂々と登場している。

そんなところが、私がこのお店で結構気に入っている。ある人は、「今日のお薦 め」ほど、信用できるものではない、という。なぜなら前日の残りを使ってしま うために値段を手軽に、適当なメニューを作るからだと。そういうお店も確かに あるかもしれない。しかし、このグラーノに来ているお客の多くはご近所さんや ら常連さんのようであるところから、お店がそんな経営倫理でやっているとは考 えられない。むしろ、新鮮に安く手に入る食材が最初にありきで、それからメニ ューを考えているらしい。それは築地の小さな手書きのお品書き1枚しかださな いお寿司屋と似たものではないかと、私は勝手に想像し、築地のがんこ職人の厳 しい目で選び抜かれた魚達と、グラーノに登場する食材達になんとなく共通の 「オレはイキがよいのだぜ」オーラを勝手に感じとり、グラーノの肩をもってい る次第である。

以前にも述べたかもしれないが、「良いレストラン」とは美味しいだけではない と私は思っている。こちらのいろいろな状況に合せて、美味しいものを、心地の よい環境で提供してくれるお店が良いレストランといえるかなと。例えば、大切 な人を連れて行っても、恥ずかしくないお料理とサービスがあるお店とか、一人 でじっくり本を読みたいし、同時に満足するお料理を楽しめるお店とか、夜中に 行っても安心してじっくり美味しいお食事に取り組めるお店とか。そういった点 からグラーノを見るとなかなか幅が広いお店であろう。恋人同士のような2人 も、友人3、4人でも充分くつろげる。また、私にとって嬉しいのは一人でも入 りやすい雰囲気であり、長居ができるというお店であること。グリニッチの散歩 途中では絶好の場所なのである。お店はいつも3分の2くらいはお客がはいって いる。嬉しいやら、心配するやらの状況ではあるが、ま、おおらかそうなイタリ ア人のお兄さん達はいつも明るく迎えてくれてるし、お料理は相変わらず美味し いからこれからしばらくものんびりお店が存在していくでありましょう。グラー ノの側にある別なイタリアンもお薦めなのだが、それはまた別の機会にご紹介し ましょう。それでは、ボナ・ペティート!

GRANO
21 Greenwich Avenue (at 10th street) tel(212)645-2121





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