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■ニューヨークレポート■
- ★★★じゃりんこチエ日記★★★
ニューヨーク大学楽しい卒業式
by Chie Morita in New York, 5.16.2000
ああ、ニューヨークに来て2年と4ヶ月が過ぎ去り、長かったニューヨーク大学大学院
教育学部TESOL専攻での勉強にいよいよ終止符を打つ時がきた。今、思い起こせば、
これまで色々なことがあったけれども、1つ1つを友達とともに助けあって乗り越え、
とにかく2000年というミレニアムの年に卒業式を迎えることができたことをうれしく
思う。ニューヨーク大学の卒業式は厳粛な感じがしながらも、NYUらしいエンターテイ
ナーのようなパフォーマンスが随所にちりばめられていて、とても感動した。しかし、
NYUの卒業式の最中にあのような光景を目にするとはまったく夢にも思っていなかった!
教育学部の卒業式 (5月9日夜7時から)
今年は、リンカーンセンターにあるエイヴァリーフィッシャーホールで行われた。卒業式
の様子を簡単に概略すると、まず、ホールの廊下で卒業生が専攻別に2列に並んで
「威風堂々」の曲に乗って入場行進。中に入ってゆくと、ゲストで来ている会場の人
たちからの視線と拍手とを一斉にあびた。教授らがバグパイプの演奏とともに登場して
くると場内は盛り上がりのピークを見せ、全員の入場が完了して、いよいよ卒業式。
“America the Beautiful” を歌って、学部長のスピーチがはじまり、大学代表、
教授らの代表、同窓生代表の挨拶が続いた。なんともNYUらしいなと思ったのが、
次に、NYUの学生らによるミニミュージカルが壇上で行われたことだ。彼らは、
すばらしい歌と踊りで教育学部の卒業式を祝ってくれた。場内全体が彼らのミニ
ミュージカルに目が釘付けとなり、卒業式に来ていることを忘れさせるひとときであった。
それから、NYUの卒業生によるスピーチがあって、賞の授与があり、いよいよクライ
マックスへ。卒業生で、この会場に来ている学生の名前が呼ばれ、ひとりひとりが壇上
にあがって、学部長と握手をするシーン。緊張の一瞬。日本人の友人達と、「ドキドキ
して緊張するね。」と言いあいながら壇上へ。でも、私の友人は、ちゃっかりと壇上で、
椅子に座っていたTESOLの教授とも握手をして余裕の振る舞い。本当にいい思い出となる
場面であった。卒業生全員と学部長との握手が終わった後は、NYUの歌をうたって退場。
リンカーンセンターの噴水の前で、友人らと写真をとりまくって、教育学部の卒業式は
無事に幕を閉じた。
Grad Alley(5月10日夕方5時―8時)
教育学部の卒業式とニューヨーク大学全体での卒業式との間に、Grad Alleyという
楽しいイベントが、霧雨が降る中、NYU周辺で行われた。夕方5時から8時までの時間
限定イベントで、NYU周辺はホットドックやソーダがもらえるテント、ゲーム場、ディスコ
の広場・・・などが設けられ、すっかりお祭り騒ぎ一色となった。私も友達と一緒に
Tシャツをもらったり、ピエロの人と写真を撮ったり、ゲームをして「2000」という
形をしためがねをもらったり、ジャズを聞いたり・・・と、あっという間に3時間が
過ぎた。最後には、花火が打ち上げられ、夜空に「NYU」の文字が浮かび上がったとき
には、友人と思わず顔を見合わせて微笑んだ。花火がちょうど終わった頃に、雨足が
強くなり雷が鳴りひびいたので、急いで友人と別れたが、帰りがけに、あのような感動を
誘う花火を見ることはもう二度とないだろうなあと思いながら、雨の中、傘もささずに
足早に帰った。
第168回ニューヨーク大学卒業式 (5月11日午前9時15分ぐらいから)
ニューヨーク大学にはキャンパスがないので、卒業式は近くのワシントンスクウエア公園
で行われる。この公園は季節によって色々な姿を見せるが、卒業式の時には、NYUのスクー
ルカラーである紫色のガウンで染まって一層の華やかさを見せる。卒業式は、まず、
卒業生が学部ごとに道路に2列に並んで公園に入場し、その後でNYU同窓生の方々と教授ら
が入場。ワシントンスクウエアにある立派なアーチのてっぺんには、トランペット部隊が
いた。国歌を歌って、挨拶、卒業生からのスピーチ、賞の授与、そして、ニューヨーク
大学の学長からのメッセージ、しかし、ここで異変が起きた。卒業生たちが急に総立ちに
なってざわめいている! いったい何が起こったのだろう! みんなほとんどが立ち上
がっているから見えない。私も椅子の上に立って、皆が見ている噴水の方向を見ると、
なんと、白人男性の裸体(うしろ姿)が見えるではないか。スピーチの最中に丸裸に
なってしまったのである。この光景を目にした私は、しばらくポカンとしていた。その後
で、その男性はどうなったかというと、警備の人にガウンを着せられ何事もなかったかの
ように丸くおさめられた。スピーチもこの異常な盛り上がりを無視してそのまま継続され
たのである。私はあまりにびっくりして、それまでの気分がすっかり変わっている自分に
気が付いたが、友達とともに何とか落ち着きを取り戻して、その後の学部ごとのプレゼン
テーションを聞き、NYUの歌をうたって公園を退場した。それから、すぐに、TESOLの教授
らと会うために教育学部の建物へ直行。まずは、そこに用意されていたおいしそうな食べ
物をごちそうになって、それから教授を見つけてツーショットの写真を依頼。ポーズを
とっているときに、「教授、ありがとう!ここまで来ることができたのはあなたのおかげ
よ!」と心のなかで叫んでいた。時間までにガウンを返却して、ニューヨーク大学の
卒業式を全て終了。この卒業式は友人とともにあった留学生活の中でも最も心に残る思い
出の1ページとなっている。
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