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■Songs from New York City■
- New York City Strut / 24th Street Band
by Shohei Nomura, 8.12.2000
毎回,ニューヨークにまつわる曲をピックアップして紹介しているこのコーナー,今
回,取り上げたのは,24丁目バンドの「New York City Strut」です。
間違いなく知らない人の方が多いと思いますが,この24th Street Bandというのは,
'80年前後に一世を風靡したフュージョン・バンドの1つ。メンバーはいずれもニュ
ーヨークを拠点に活動していた,CLIFFORD CARTER(キーボード&ヴォーカル),
HIRAM BULLOCK(ギター&ヴォーカル,実は大阪生まれらしい),WILL LEE(ベース
&ヴォーカル),STEVE JORDAN(ドラムス&ヴォーカル)の4人。いずれ劣らぬ強者
揃いで,今でも超一流のスタジオ・ミュージシャンとして活躍してます。SMAP(!)
を始め,日本のミュージシャンのレコーディングにもやたら参加してるので,何気な
く彼らの演奏を聴いていることも多いはず。
そして,そんな彼らのセカンド・アルバム,「Share Your Dreams/マンハッタンの
夢」のオープニングを飾るのが,この「New York City Strut」。ニューヨークの街
角のざわめきから,ファンキーなピアノのリフに乗って,「New York City, New
York City Struttin' New York City Strut!」なんて,キャッチーなコーラスが繰
り返されます。リードヴォーカルは,現在の音楽シーンにおいては,4人の中で一
番,陰の薄いクリフォード・カーター。ボトムを固めるウィル・リーとスティーヴ・
ジョーダンのリズム・セクションはあまりにも強力で,ハイラムのギターは今と同じ
ように若々しく吠えてます。
ジャズ・フュージョンというよりも,「ジャズも出来る人達による」ロックバンドと
いった方がしっくりくる,そのぐらい24丁目バンドのサウンドはファンキー。実際,
彼らのナンバーのほとんどは歌物ですし,アルバムには,ロックやソウルはもちろ
ん,レゲエやカリプソの要素まで顔をだします。ま,文字通り,フュージョン=融合
と考えれば納得はいくんですが。
さて,この24丁目バンド,名前の由来は,もちろんニューヨークはマンハッタンの
24th Street。この「New York City Strut」が入ったレコードの帯には,「ニューヨ
ーク・マンハッタン24丁目シークレット・サウンド・スタジオにて録音」なんて記さ
れていたりもして, とりあえず80年前後のニューヨークのイキのいい空気をダイレ
クトに伝えてくれる存在なのは,間違いないところ。
ところが,このいかにも「HIP」なニューヨーク・バンド,実は人気があったのは,
日本でだけ。なんと,彼らの3枚のアルバムは,いずれも日本のレコード会社から,
日本でのみのリリースされたものでした。また,本人達も,このバンドのことを
「24th Street Band」じゃなく,「ニジューヨンチョーメバンド」と呼んでたりする
んだとか。まー,だからといって,彼らの音楽のクオリティが低いのかというと,決
してそんなことはないので,その点だけはご注意を。
ちなみに,ハイラムとウィルは,「HIRAM BULLOCK BAND」として,今でもタッグを組
んでいて,日本にもよく来てますし,ニューヨークのライブ・ハウスでも,頻繁にラ
イブをやってます。この2人,バーカウンターに乗って歩きながら演奏するなど(で
も,絶対に音は外さない),かなり楽しいライブをやるので,ぜひ一度。
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