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■Winds from New York■
by Junko Kitahama, 8.19.2001
NYは初めて!という方に、ぜひお勧めしたいことの一つがこの”ブランチ”体験。
そういう私も今日ご紹介する高級ホテルの「ブランチ体験」はたったの一度だけ。
以前お話したように、ツアコンとして飛び回っていた頃、何度か「ニューヨーク・
美術館物語」とタイトルをつけた8日間ツアーを自ら企画し、添乗も行っていたとき
のこと。(このツアーはNY初体験の方でミュージアムファンには絶対お勧めコース
なので、個人で行く方にも参考にしてもらえるよう、機会をみてご紹介しようと思う)
ツアー6日目(NY最終日)は終日フリーで土曜日、其々お客さまは好きなように
過ごすのですが、早朝から夜遅くまで、NYはいくらでも楽しめる街ということで
みんな結構お疲れ気味。そこで、私のこの朝は少々お寝坊し、ゆっくりシャワー
を浴びて、いつものカジュアルな格好をガラッと変えて丈の長いワンピースなど
着込んでから、いざロビー階へ。
前夜、「明日は特に予定もないし、添乗員さんお勧めコースがあれば教えて!」
と尋ねられたお客さまに「せっかくNYに来て週末を過ごすなら、やっぱりブランチ
に行かなくちゃ!」とグルメそうなミセスをお誘いしておいたのだった。
そのとき宿泊していたインター・コンチネンタル・ホテルから49St.を渡ったところ
(つまりお向かい)が、ウォルドルフ・アストリア・ホテル。昭和天皇も宿泊された
由緒あるホテルだ。1階には日本料理店「稲ぎく」もあるが、私はまだ入ったことは
ない。ロビー階はアール・デコの家具が置かれ、1930年代の見事なインテリアで
統一されている。その一角にあるメインダイニングの一つで、「ウイークエンド・ブランチ」
がいただける。
一人$50.00(税・サ別)で、「食べ放題!飲み放題!」とあって人が集まっている。
エントランスにいるマネジャーに「2名でノンスモーキング の席を希望」と伝えると
20分程の待ち時間があるとの事、仕方なくテーブルを待つ間もミセスと私は
ブランチとして広いホールの真中に用意された豪華なお料理の数々を覗き見し
ながら、同時にそこに居る人々の様子を観察した。
さすがに、ジーンズにTシャツ姿はいないし日本人も私達以外見かけない。生まれ
たてのベィビー(白レースのベビー服に共のカチューシャまで着けてた!)を籠に
入れたカップルとそのご両親らしき人たちがいて、バブテスマ(洗礼式)の後かしら
などと思っていたら意外と早く名前を呼ばれ、廊下の両側にあるいくつかの部屋を
通り過ぎ、他にも2つほど2〜4人用の席がある落ち着いた雰囲気の小部屋に案内
された。始めに飲み物のワゴンがテーブルへ寄せられ、私達は数あるアルコール類
からまずシャルドネを選び、お料理が所狭しと並ぶメインホールへ進んだ。
前菜(種類がとにかく豊富!)、サラダ5〜6種類(みたこともないような野菜も使わ
れていた)、冷スープ、温かいスープ、その場で好きな食材を包んで焼いてくれる
オムレツ、ローストビーフ(アメリカで食べた中ではここが一番美味しかった)、魚料理
焼き菓子、チョコレート、冷菓…。日本でよく目にする和洋中華折衷メニュウなんかで
は決してなく、ひたすらコンチネンタル・キュイジーンを貫いたスタイルは見事だった。
このホテルのサービスはすばらしく、お料理がなくなりかけるとすぐに新しい皿が運ば
れてくる。絶えず担当のシェフが目を光らせ、盛り付けが無残に崩れぬよう、笑顔で
ゲストの皿を受け取り、見事に切り分けたり取り分けたりしてくれて、気持ちがいい。
ゆっくり時間をかけて、飲みながら食べながら、アメリカ人は本当におしゃべり好き
ということが、ブランチしている人たちを見ればよーく分かる。少しずつお皿にとって
来ては飲み物を変え、次から次へと延々食事をしている感じがする。負けずに私達
も頑張ってみたが、デザートの頃には、意地になって食べようとするけれど小さな
ケーキ2個でギブアップだった。悔しいので、本当はダメかもしれなかったのだが、
内緒でクッキーを紙ナプキンに包めるだけ持って帰ってしまった。うっかりカメラを
忘れた為この時のスナップがなくご披露ができないのが非常に残念!
「アメリカに美味しいものなんてあんまりないじゃん!」と思っているあなたへ。
ニューヨーカーのお洒落でグルメな”ブランチ”のお勧めでした。
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