|
|
|
■アメリカ旅行記■
- アメリカ旅行記 アメリカ横断ドライブ編 (10)
サン・アントニオ 〜 エルパソ
by Hironobu Hamada, 2.18.2001
*前回までのスト−リー
ニューヨークを8月19日に出発し、ロスに向かったアメリカ横断ドライブ。
まず、I-95を南下してサウスキャロライナのチャールストンに向かう。その後は
フロリダから西に向かい、ニューオーリンズ、ヒューストン、オースティンなどを
経由してテキサスのサン・アントニオという町までやってきた。
*8/28(Mo) San Antonio, TX 〜 El Paso, TX
本日の走行548マイル(トータル3506マイル)
サン・アントニオのスペイン調の街並みとリバーウォークの美しさに思わず
感動した私だったが、そのサン・アントニオを後にしてエルパソに向かった。
サン・アントニオからエルパソまでは500マイル(約800km)以上の距離がある。
その間は、大都市は言うに及ばず小さな町もほとんどない険しい山脈地帯が
続く。道路はフロリダから走ってきたインターステート10(I-10)がとおっている
ために一本道であるが、途中、ガソリンスタンドやその他の施設はそれほど
多くない。
そのような状況があって久しぶりに朝早く起き、9時ごろには出発した。
サン・アントニオのダウンタウン周辺はフリーウェイが複雑に交錯し、通勤の車
などで混雑するが、フリーウェイからI-10に入り西に15分も走ると交通量は
かなり減少する。30分も走ると砂漠地帯になり、砂漠、岩山、背の低い潅木類しか
見渡すことができない。道路を走っている車は大型トラックが中心になるが、
それもまれで走っている車はほとんどなくなる。ガソリンについての看板が
ちらほら見え、予備のタンクを持っていくように警告していた。
砂漠地帯に入ると景色は絶景であった。しかもドライブは快適で、大自然の中を
走っているという言葉がぴったり当てはまるような感じで、交通量が少ないために
スピードも100mph(約180km)は軽く出すことができた。この日は、気温はそれほど
暑くはなかったが、車にずっと乗って運転していると窓からの日差しで腕が
かなり暑かった。同じ方向から日が差し込んでくるため、この日一日で私の左腕は
かなり日焼けした。夜には日焼けのために腕が痛いほどであったのである。
3時間ほどのドライブだっただろうか?昼過ぎにオゾナというウエストテキサスの
小さな町に着いた。このあたりのI-10沿いには町そのものがほとんどないので私は
オゾナに寄ってガソリンを補給し、昼食を取ることにした。しかしながら、昼食を
取ることができる場所はほとんどなかった。オゾナは町を歩いている人もほとんど
なく、町というよりも、ちょっとした集落と言った感じである。スーパーマーケット
を見つけたので、ちょっと入ってみるが、客と店員がスペイン語で話している。
このあたりはメキシコからの移民が多く、英語よりもスペイン語のほうが通じるよう
である。私は店員に英語で話し掛けるが、店員の英語は”かたこと”であまり理解
できなかった。
そのような町でもガンショップはあった。試しに入ってみるが、店の中にはライフル
からピストルまでガンがずらりと並んでいる。ソーシャルセキュリティナンバーを
持っているとだれでも変えるらしい。私はソーシャルセキュリティナンバーを持って
いるので買うことができたが、もちろん何も買わなかった。店員は映画に出てきそう
ないなかのおじさんで、一目見てハンターであることがわかるような顔立ちである。
"Where are you from?" (どっからきたんだ?)
"New York." (ニューヨーク)
"Are you ..."
といった会話をちょっと交わしたが、テキサスアクセントが強く、かなり理解しにく
かった。結局昼食は、I-10のそばにあったバーガーキングで取ることにした。その中
で、子供が私のほうを指差して母親に何か話し掛けている。おそらくアジア系を
見たことがなかったのだろう。その子供を母親がそんなことをしないように制して
いた。”やめなさい。あんなわけのわからない人にかまってはダメよ。”と注意して
いるような感じである。
1時ごろにバーガーキングを出て、再びI-10を西に走り出すが、5分ほどで砂漠地帯に
戻った。そこから先、エルパソまでは何もないところが続いた。
夕方頃だっただろうか。山の頂上に近づいたときに前に雨雲が見える。山の頂上付近に
雨雲がかかっているのである。運の悪いことにI-10はそこに向かっている。期待通り
に視界が悪くなり、夕立がきた。しかも、ただの夕立ではなくて前後、左右で稲妻が
ピカピカ光り、雷鳴がゴロゴロ響いている。夕立というよりも完全な嵐であった。
私は、その時は嵐でフロントガラスが割れるような気がした。山の頂上付近であるため、
すぐ近くに稲妻が見え、自分の車に落ちそうな気がした。その時、私は思わず
ラジオを止めた。ラジオのアンテナに雷が落ちそうな気がしたからである。そのような
不気味な雰囲気が約30分間続いた。
頂上付近を過ぎ、山を下り始めるとしだいに雨も弱くなり、さらにしばらく走ると
雨があがって晴れてきてほっとしたが、さすがにこの時はかなり不安だった。
雨が完全に上がると、さっきまでの嵐がまるでうそのように天気は快晴に変わった。
夢のようであったが、後ろを見てみると不気味が雨雲が山の頂上付近にかかっていた。
それからは、山を下っていき1時間ほどでエルパソに到着した。”や〜っと、ついた
かあ。長かったなあ!!”というのがこの日のドライブの感想である。エルパソに
着いた私は久しぶりにチャイニーズレストランに入るが、なんとメキシカンが経営
していた。味は普通だったが、この町はそれほどヒスパニックが多いのである。
よく考えてみるとこの日はほとんど一日中一人でドライブしていた。”よくもまあ、
サン・アントニオからはるばるここまできたなあ!!”というのが、この時の
正直な気持ちだった。
次号に続く。
*写真
砂漠、I-10、I-10から見えた虹など。
http://www.j-newyork.com/us-travel7/index.html
*編集後記
みなさん、いかがおすごしでしょうか?この時のドライブは長かったですね。
山の頂上付近で会った、嵐にはびっくりしました。本気で車に雷が落ちそうな
気がしましたよ。でも、この時のドライブは本当に気分爽快でした。
話は、変わりますが、私は先週末に中国の上海に行ってきました。アメリカとは
全く関係ないのですが、その時の話をちょっと紹介します。上海は、昔の租界
時代の建築物が残っていることもあって、町自体はかなり西洋的です。スター
バックスもあり、西洋のブティックが並ぶストリートもあります。超高層ビルも
立ち並んでいますが、下町に行くと、これがびっくり。大正時代か昭和初期の雰囲気に
なります。たまに、NHKのドラマに出てきそうな昭和初期の浅草あたりの雰囲気
でした。
物価は非常に安く、靴なども日本で1万円から2万円ぐらいしそうなものが
上海だと2千円程度で変えます。私は、この機会にかなりショッピングを
してしまいました。料理もさすがに本場でおいしくて、しかも安い!!2人で
高級レストランに入り、たらふく食べて2千円ほどでしたね。
ショッピングは香港、韓国よりも今や中国ですよ!
それでは、次号まで。
Take care!
Hiro
*上海の写真
http://www.j-newyork.com/Shanghai/index.html
|
|