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■アメリカ旅行記■
- アメリカ旅行記 アメリカ横断ドライブ編 (14)
〜 横断ドライブのハイライト コロラドロッキー 〜
by Hironobu Hamada, 3.26.2001
*前回までのスト−リー
ニューヨークを8月19日に出発し、ロスに向かったアメリカ横断ドライブ。
フロリダ、ルイジアナ、テキサスといったアメリカ南部を経由しながらニュー
メキシコ州に入り、その後は北上してコロラド州のデュランゴという
コロラドロッキーの町までやってきた。９月になり、アメリカ横断旅行も
終わりに近づいてきた。
*9/1(Fri) デュランゴ, コロラド州 〜 シルバートン 〜 ユーレイ 〜 グランドJCT
本日の走行 197マイル(トータル 4452マイル)
今回の旅行で私はアメリカの様々な町を訪れ、また多くのルートをドライブしたが、この日の
デュランゴからユーレイまでのコロラドロッキーのルートがベストといってもいいほどの
コースだった。それほど山々の景色に感動したし、デュランゴ、シルバートン、ユーレイ
といったコロラドロッキーの町々も西部劇そのままの雰囲気が残っており、町を散歩して
みるだけでも楽しかった。
では、ここで簡単にデュランゴ、シルバートン、ユーレイといったコロラドロッキーの
町々を紹介しよう。私が宿泊したデュランゴはニューメキシコとの州境に近いコロラドの
南西部に位置している。その昔、ビリー・ザ・キッドもやってきたという山奥の町の
メインストリートには、西部劇そのままの酒場やレストランなどが並んでいる。夏の
観光シーズンには、観光のメインである蒸気機関車やハイキング、川下りやフィッシングを
楽しむ人々で町中が観光客であふれかえる。私が訪れたのもちょうどそのような季節で、
町は観光客、特にライダーの活気であふれていた。
観光のメインが蒸気機関車であると述べたが、それはデュランゴ〜シルバートンを
結ぶ狭軌鉄道のことで、デュランゴを訪れる観光客の多くがこの蒸気機関車を目当てに
やってくるらしい。この蒸気機関車のチケットは、夏の観光シーズンには何日も
前から売り切れになることが多く、直接その日に駅にチケットを買いにいっても
蒸気機関車に乗ることはできない。前日の夕方にキャンセル分のチケットを売り出す
らしいが、最低２時間は待つ必要があるそうである。この蒸気機関車はそれほどの
人気があるのである。私は、幸運にもシルバートンで蒸気機関車が駅に入ってくる瞬間を
見ることができた。駅といってもプラットフォームはなく、単純に線路があるだけ
だったが、機関車が入ってくる瞬間は駅は多くの鉄道ファンであふれていた。
このデュランゴ、シルバートン、ユーレイの町は、US-550というアメリカ連邦政府道で
結ばれている。US-550はコロラドロッキーのメイン道路であり、途中コロラド
ロッキーの山々の中を走り、雄大な大自然の景色を望めることからピークシーズンには
観光客であふれかえる。この時期特に多いのがライダーだった。デュランゴでライダーは多く、
町じゅうにバイクがあふれかえっていたが、かれらはこのUS-550のツーリングを
楽しむようである。途中の道路は、急な山道が続き、カーブがきつくスピードは
ほとんどでない。しかもガードレールがないところも多いので注意が必要である。
景色に感動して、わき見をしていると崖下にまっさかさま、といったこともこの
ルートでは十分あり得ることである！！
シルバートンはデュランゴと同じく、四方を山々に囲まれた美しいビレッジであり、
西部劇そのままの古い家々が軒をならべている。本当に今にもカウボーイが出
てきそうな雰囲気だった。ユーレイは、標高2500メートルに位置する町で、
”アメリカのスイス”と呼ばれるほど美しい町である。幅わずか1/4マイル、長さ1/2
マイルの本当に小さな町だが、全米のツーリストたちから親しまれ愛されている。
ユーレイは、現在温泉が出ており、実は私も温泉にトライした。
それでは、私の旅行記にもどりましょう。
私は、まず朝のうちにデュランゴのダウンタウンを歩いた。前日にちょっと歩いてみた
が、やはり非常に魅力的である。コーヒーを飲んだが、そこのコーヒーショップが
ニューヨークのアッパーウエストサイドにある私のお気に入りのカフェに非常に
よく似ていた。しばらく、ウォールストリート・ジャーナルなどを読みながら
カプチーノを飲んで出発した。
デュランゴの北45マイルにシルバートンある。デュランゴからシルバートン
までは、峡谷沿いを走る。雄大な大自然が続く。しかも、驚いたことに、先ほども
紹介したようにガードレールがない。運転を誤れば谷底である。こんな場所は
日本ではないであろう。これも文化の相違であるが、アメリカは自己責任の国
なのである。
このあたりは開拓時代からの伝統がところどころに残っていて、途中私も開拓時代に
つかわれたであろうトロッコなど、その面影を垣間見ることができた。道路は
途中急激な登りが続いたが、私の車はなぜかアクセルを踏み込んでもパワーが出ない。
エンジンはうなりを上げて回転数は上がるが、どういうわけか私の愛車は山を
登ってくれなかった。そこで私は昨日のマフラーのことを思い出した。昨日私の車の
マフラーはエンジンとの付け根のところで真っ二つに折れていたのである。ニュー
ヨークからここまで猛暑の中を4000マイル以上走っている。車がまともなほうが
おかしいぐらいだが、そんなことを言っている場合ではなかった。山を登ることが
できなかったら引き返すしかないが、おそらく引き返してもところどころ登りは
あるだろう。車の調子はかなり悪かったが、もう少しで下りになりそうな雰囲気
だったので、私は超スローな走りであってももうしばらくトライしてみることにした。
そのような中、車はスピードが出ず、エンジンはうなりを上げていたが、なんとか
山を登りきることができた。そして、登りきった瞬間、山の頂上ではロッキーの
山々の絶景が突然視界に入ってきた。どれほど感動したことだろうか！とても言葉では
言い表せないような美しさだった。
下りは、上りとは一転して、快適だった。あたり前ではあるが、今までの苦労がうその
ようであった。しばらく走るとシルバートンに着いたが、このような小さな町に
自動車修理工場があるかどうかが心配だった。ガソリンスタンドも町に１つか２つしか
ない。私は、ほとんどあきらめかけたが、スタンドで聞いてみると1件あるらしかった。
早速行ってみると、店員は「これはここでは直せない。」と私に言った。
マフラーがないからである。応急処置はするが、この車はもう走らないほうがいいとも
言った。私は、応急処置でも何でも、このコロラドロッキーからデンバー方面に
に抜ける必要があったので、できる限りのことをしてもらうように頼んでみたが、
ここの店員は親切で、精一杯の応急処置を私のために行ってくれた。
シルバートンではその後、蒸気機関車の写真を撮ったりして、１時間ほど滞在した。
ダウンタウンでは、様々な動物の剥製が売られていた。今まで見たことがない動物も
多かった。このあたりは自然動物の宝庫である。それを反映して、町にはハンターの
数も多かった。
その後、ユーレイに向かったが、車は一転して快適だった。上りもそれほど苦にならなかった。
車は応急処置しかしなかったが、完全に直ったような気がした。（実はそうではなかった
のだが）一見私にはそう思えた。ルートUS-550は相変わらずライダーが多かったが、
ユーレイまでは25マイルと距離が短かったためか40分ほどで到着した。
温泉があるようなので、私もぜひトライしてみたかった。アメリカでの温泉は今まで入った
ことがなかったからである。というわけで、この日がアメリカでの温泉の初体験だったが、
なんと、アメリカでは温泉には水着ではいるらしい。日本の露天風呂でも水着で入るところが
あるがそれと似たような感じである。温泉そのものは温泉というよりも温水プールといった
ような感じであるが、やはり久しぶりの温泉は気分がよかった。私は、ここで30分ほど
の〜んびりつかりながらぼ〜っとしていた。
トータルで１時間ほどユーレイにいただろうか。ユーレイを出発して、しばらくすると
ルートはカーブのきつい山道から快適な直線道路に変わった。スピードも７５mph
(120km/h)ぐらいは出すことができた。今までところどころガードレールがない険しい
山道を折れたマフラーで走ってきただけあってかなり快適だった。マフラーも
完全に直ったかに思えた。前に夕日が輝き、エンジンも好調で、カントリーミュージックを
聞きながら雄大な大自然の中を走るドライブは最高だった。
デートンという町を通り、グランドJCTという町に到着した。この町は
位置的にはデンバーの西になるが、結構大きかった。ここで私はマフラーをさがしたが
どこに行ってもマフラーの在庫はなかった。早くとも２〜３日かかるらしかった。２〜３日も
ここで待てなかった私は、車が快適に走っていることもあって、その日は
ここに泊まり、とりあえずはマフラーはあきらめて西に向かうことにした。
ここで気付いたことがあったが、このあたりはほとんどブラック、ヒスパニック系、アジア系
がいない。ニューメキシコに入ったあたりからネィティブアメリカンは除いてほとんど白人に
しか会わなかった。特にブラックがいないのは以外だった。
結局、この日はグランドJCTに泊まった。よく考えてみると、折れたマフラーの応急
処置だけでよく険しい山道を乗り切り、ここまでたどりつくことができた。しかし
ながら、景色は今までの中で最高だった。
次号に続く！
*写真
デュランゴ、シルバートン、ユーレイ、コロラドロッキーの山々など。
http://www.j-newyork.com/us-travel11/index.html
*編集後記
みなさん、いかがおすごしでしょうか。マガジンですが、毎回送れて申し訳ないです。
私の今回の旅行では、このコロラドロッキーのルートがベストといってもいいほど最高で
した。雄大なコロラドロッキーの山間をぬって走る山間ルート、西部劇の雰囲気がそのまま
残っていて、今にもカウボーイが出てきそうな、デュランゴ、シルバートン、ユーレイの
町々。どれをとってみてもよかったです。今年の夏にアメリカ旅行を考えている人は、ぜひ
このコロラドをプランいれてみてください。私のおすすめコースです。
それでは、次号まで。
Take care!
Hiro
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