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■アメリカ旅行記■
- アメリカ旅行記 アメリカ横断ドライブ編 (19)
ラスベガス 〜 LA
by Hironobu Hamada, 5.21.2001
*前回までのスト−リー
ニューヨークを8月19日に出発し、ロスに向かったアメリカ横断ドライブ。
出発から2週間が経過し、9月4日にラスベガスからカリフォルニア東部の
砂漠地帯に位置するデスバレーに入ったが、あまりの暑さのために
私の車はエンジンがオーバーヒートしてしまった。その時に、私の車は
エンジンの冷却システムがどこか故障してしまった。その後、デスバレー
中にあるガソリンスタンドまで車を運び、何とか直そうとするが、結局
直らなかった。私は車をそこであきらめ、ガソリンスタンドの
親切な人にパランプという隣町まで送ってもらい、デスバレーを脱出する
ことができた。パランプからはレンタカーを借り、再びラスベガスまで
戻ってきたが、実は、私は9月8日の飛行機でLAから日本に一時帰国する
ことになっていた。猶予は2日、はたして間に合うだろうか？
*9/6(We) ラスベガス 〜 LA
私のアメリカ横断ドライブ旅行も終わりに近づいてきた。予定では、デスバレー
からヨセミテに入り、サンフランシスコから南下してLAに入る予定であったが、
それはもはや実現不可能になってしまった。
デスバレーで車がオーバーヒートし、灼熱の太陽の下、大自然の厳しさを思い
知らされた。何人かの親切な人たちのおかげでデスバレーから脱出できたが、もはや
私の愛車はない。そうなるとやはり感慨深いものがあった。デスバレーから
パランプまでは車で送ってもらい、パランプからは"Enterprise"というレンタカーを
借りていたが、その車でLAまで行くことはできなかった。"Enterprise"はローカルな
レンタカーだったからである。
したがって、私はラスベガスでAVISというレンタカーを借り、その車で
LAを目指すことにした。
実は、日程的にそれほど余裕がなかった。この日が9月6日（水曜日）であり、
9月8日（金曜日）の飛行機で久しぶりにLAから日本に帰国することになって
いたからである。金曜日の午前中のフライトであり、その飛行機に間に合わせる
ためには、木曜の夜にはLAに泊まる必要があった。つまり、この時2日しか
猶予がなかったのである。
ラスベガスからLAまでは頻繁にフライトがあり、値段もそれほど高くなかった。
$150程度だったと思われる。時間も1時間ほどで、まさに飛行機を利用すれば
あっという間にLAに降り立つことができた。しかしながら、私は車にこだわった。
NYからラスベガスまでドライブしてきたので、LAまで何としても車で行きたかった
からである。
そこで、AVISでレンタカーを借り、その車でラスベガスーLA間を結んでいる
インターステート15号線(I-15)をひたすらLAを目指すことにした。レンタカーは
ほとんど新車だったが、自分の車のほうが走りやすいと思ったから不思議である。
1985年式のポンコツであったが、やはりここまでドライブしてこともあって
愛着があった。
ラスベガスからLAまでは275マイル（約440km）離れており、距離的にはそれほど
近くはなかった。ラスベガスを昼過ぎに出発したが、I-15の景色は右も左も砂漠で
ある。まさに不毛の砂漠が延々と続くように思われ、15分ほど走ると交通量もかなり
少なくなった。30分ほどでカリフォルニア州に入ったが、砂漠の景色は変わらな
かった。カリフォルニアはLA、サンディエゴ、サンフランシスコといった海岸沿い
の町のイメージが強く、カリフォルニアと言えば、サーフィンなどを思い浮かべる
人も多いと思われるが、実は東側は不毛の砂漠である。そのような砂漠地帯が
しばらく続いた。
Bakerというところで、給油のためにインターステートを降りてみたが、ガソリン
スタンドが1件あるだけで、その他は何もなかった。ゴーストタウンの標識も
出ていた。この先にゴーストタウンがあるという。車も走っておらず、また、
物音一つしなかったため、この先にゴーストタウンがあるという標識を見ても
それが事実であるような気がした。目の前をカリフォルニア州道が走っていたが、
その先に何があるのか、またどこへ行くのか全く想像もつかなかった。わけの
わからない宗教団体の施設があったとしてもだれも気付かないであろう。
今回の旅行でこのようなところは慣れていたが、ラスベガスとLAの間がこのような
不毛の砂漠地帯だとは思わなかった。
再びインターステートをゆっくりと走り出したが、日も暮れかかっていた。
西に向かって走っていたため、前に夕日が見えた。大きな夕日だったため
まぶしかったが、LAまでは100マイル（約160km）の距離であり、いよいよ
クライマックスを迎えるときがきた。
LAまで50マイルほどの距離になると、交通量が増えだし、ロスアンゼルスの
圏内に入ったことが想像できた。車線も2車線から3車線、3車線から4車線
へと増えていった。しばらくすると、突然に視界が開け、目の前に無数の光の
海が現れた。それが、LAである。私は思わず感動がこみ上げてきた。ニューヨーク
からここまで、走行距離は6000マイル（9000km）を超えていた。途中マフラーが
故障し、タイヤはパンクし、最後はデスバレーで車がオーバーヒートして、そこに
車を乗り捨てざるを得なかった。また、多くの人に出会い、途中友人と別れ、
親切な人には助けてもらってここまで来ることができた。大自然の雄大な景色に
何回感動したことだろう。また、逆に最後は大自然の厳しさも教えられた。
一瞬、今までのドライブが走馬灯のように思い出された。
しかし、よくここまでたどりつくことができた。今から思えばかなり
無謀な旅行であった。
そのまま、しばらく走ると、ニューメキシコ州以来のインターステート10号線(I-10)に
合流した。I-10は、フロリダからニューメキシコまで走った道である。ここでも、
フロリダ、ミシシッピ、アラバマ、ルイジアナ、テキサス、といった道中が思いだされた。
そのような感動にひたりながらLAの中心部に向かったが、LAの中心部に向かうにつれて、
車が混みだし、ついには渋滞がはじまった。渋滞である！！インターステートや
フリーウェイが複雑に交錯する中、I-10は片側4車線が車で埋まり、ほとんどスピードが
でなくなってしまった。車が渋滞するなんてことは、今までの砂漠の中を走っているとき
には全く想像できなかったことである。ラジオの数も一気に多くなり、ポピュラーソングが
流れ出し、完全に大都会の雰囲気になった。
しかし、このロスの大きさはただものではなかった。ダウンタウンはそれほど大きく
ないが、ロスアンゼルの圏内はとてつもなく馬鹿でかい。完全に車社会であるため、
地下鉄の数は少ないが、逆に何本ものフリーウェイが複雑に交錯し、私はロスは初めて
だったこともあって、まるで迷路の中を走っているようだった。
何も考えずにひたすら西に向かっていた私は、ダウンタウンを横切り、しばらくすると
海岸に出た。時刻は夜の9時ごろである。そのままラジオを聞きながら、夜の海岸沿いを
ドライブしていたが、ビーチに出たので車を止めて降りてみた。大都会の中
だったが、月明かりがまぶしかった。
私は、月明かりの中で大西洋の波の音を聞きながら、ニューヨークからロスまでのドライブを
成し遂げた感動にひたっていた。そこには、何かを成し遂げた満足感があった。
次号に続く！
*写真
ラスベガス 〜 LA。
http://www.j-newyork.com/us-travel16/index.html
*編集後記
ついに、アメリカ旅行記はロスに到着し、私の旅行記も残りわずかとなりました。
ここまで、私の旅行記に付き合っていただいた読者の皆様、本当にありがとうございます。
ところで、旅行は去年の9月の話で今は年が変わった5月末。よく旅行記が書けるなあ、と
お思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか？その疑問にお答えしましょう。実は、
私は毎日日記を書いていたのです。疲れきった日も、日記だけは書いて寝るようにして
いました。したがって、私が旅行記で紹介しているのはその日記を編集したものなのです。
私自身も再び今年の夏にアメリカを1週間ほどドライブ旅行することを検討し始めました。
読者の皆様もアメリカ旅行を検討している人も多いと思います。そのような人は時間があれば
ぜひメールでも送ってください。
それでは、次号まで。
Take care!
Hiro
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